“空のF1”レッドブル・エアレースは衝撃的な迫力!オーストリア最終戦をレポート【後編】

Walkerplus / 2014年11月1日 11時0分

「今季からエンジンとプロペラが全選手共通になったので、パイロットの操縦技術がタイムに大きく影響するのは間違いないですね。ただ、エンジンとプロペラ以外にも改良できる部分はあるので、各チームが工夫を凝らしています。だからマシンに隠された秘密を知るとさらに楽しめると思いますよ。例えば、機体の塗装は空気抵抗に大きく関わる部分なのでかなりこだわっています。水泳選手がサメ肌の水着を着て水の抵抗を減らすのと同じで、極力薄い塗装を施しています。マシンの重心も操縦性に影響しますから、ウェイトの位置を数センチ単位で変えてバランスを調整したりもするんですよ」

尋ねれば尋ねるほど尽きることのない細部へのこだわりと限界への挑戦。「パイロットだけではなく、メカニックスタッフにも光をもっと当ててほしいですね(笑)」と橋本さんが語るのも頷ける。エアレースは、飛行機好きやメカニック好きだけが楽しむのにはもったいないほどの魅力を持っている。そんなことを感じられたハンガーウォークであった。

続いてテスト飛行が行われ、その後、いよいよ予選が始まった。各選手が2回ずつタイムアタックに臨むのだが、まずはランキング12位のマイケル・グーリアン選手(アメリカ)からスタート。室屋選手は4番手で登場し、結果は57秒447で予選7位につけた。地元の期待を背負うハンネス選手は1人だけ55秒台という圧倒的なタイムを叩き出し、首位で翌日の決勝へと繋いだ。橋本さんによれば、ハンガーウォークを終えた辺りから、パイロットの緊張感は一気に高まり、声もかけ辛い雰囲気になるのだとか。

予選同様の青空のもと、約3万5000人の観客が集まった2日目の決勝。まずは予選の結果に基づくマッチプレイ方式(1位vs12位、2位vs11位、3位vs10位…の順に対戦し、6人の勝者に加え、敗者の中からタイムの良い上位2人をプラスした計8人が勝ち抜く方式)で準々決勝が行われた。トップバッターは室屋選手。対戦相手は2013年のシリーズチャンピオン、ポール・ボノム選手(イギリス)。室屋選手は旧型の機体を使用しており、機体のハンディを操縦技術でカバーするタイプ。そのため「穏やかな天気でフライトコンディションが良かったから機体の差が出やすかった」とフライト後に語っていたように、この日は技術を生かし切れず僅差で敗退。結果的に室屋選手は58秒335のタイムで最終戦は9位。シリーズランキングも9位で2014年のレースを終えた。

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