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GWの森林浴は、なぜ人を快適にさせるのか?

ウェザーニュース / 2018年4月29日 12時0分

ウェザーニュース

風薫る5月。新緑が日ごとに濃さを増していく季節です。2018年のゴールデンウィークで森林浴を試してみませんか?

森の中を歩くと心身が爽快になりリラックスできるのは、植物(樹木)が発する香り「フィトンチッド」のおかげで、“森林浴効果”と呼ばれています。

樹木が発する天然の芳香成分は人にやさしい

森林総合研究所関西支所の研究者・大平辰朗さんにフィトンチッドについて説明していただきました。

「フィトンチッドは、植物から発散される香り成分(揮発性の化学物質)の総称です。旧ソ連のB.P.トーキン博士は、この揮発性物質に殺菌作用があることを発見し、フィトンチッドと名づけました。

フィトン(phyton)とは「植物」、チッド(cide)とは「殺す」という意味があります。こう説明するとなにやら危険な印象を受けがちですが、根を生やして移動ができない植物は、有害な微生物や昆虫などから身を守るため、または自らの成長促進のため、フィトンチッドを大気中に放出しているとされています」

タマネギを切り刻むとよく特有の匂いがして涙が出ますが、刺激のある揮発性成分を放出するためです。これもフィトンチッドの一種です。

細菌やほかの生物を撃退する働きをもつフィトンチッドですが、実は人間に与えてくれる恩恵も多いのです。

「血圧を低下させ、精神を安定させて気分を落ち着かせるリラクゼイション効果をはじめ、抗菌・抗ウィルス作用、防虫・誘引効果、消臭効果などが実験によって立証されています」(大平さん)

気温上昇とともにフィトンチッドは増加

芳香分子が作られる場所は植物の種で異なるが、森林浴で私たちが楽しむ森の香りは一般的には葉から放出されます。

では、フィトンチッドの含有量が多いのはどんな種類の木なのでしょうか?

「広葉樹よりも針葉樹に多く含まれています。国内樹種ではトドマツが最も高く、ネズコやヒノキ、スギなどにも多いですね」(大平さん)

「フィトンチッドの放出量を一定の場所で測定した結果、放出量は季節で変化し、気温と相関があることが分かりました。5月から8月にかけて気温の上昇に伴って多くなり、秋から冬にかけてだんだん少なくなります。また、森林の香りの一日の変動を見ると、夕方から夜にかけて増加し、朝方に高くなる傾向にあります。深い樹林ほど効果が強いといえますね」(大平さん)

森林浴を効果的に楽しむには、気温が高くなる季節に針葉樹の森に出かけるのがよりいいとされています。ゴールデンウイークには森林に入って空気を身体いっぱいに吸い込んでみませんか。

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