なぜ、プールでも熱中症!?

ウェザーニュース / 2018年8月4日 10時0分

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熱中症の心配から、猛暑で学校のプール教室の中止が相次いでいます。「夏休みの楽しみだったのに」と嘆く子も少なくないようです。なぜプールで熱中症になるのでしょうか。

プールでも発汗や脱水がある

東京消防庁が2017年6〜9月に熱中症で救急搬送した3167人を発生場所別に分類したところ、「プール・河川・海」が7人いました。暑さをしのぐはずのプールや河川で、なぜ熱中症になるのでしょうか。

環境省がまとめた『熱中症環境保健マニュアル2018』に、その理由が指摘されていました。「プールでも起こる熱中症」という項目に、「屋外プールで水泳練習中に熱中症を発症することがあります。水の中では汗をかかないと考えがちですが、水中でも発汗や脱水があります」として、プールの水温と発汗量を計測したデータを公開しています。

水温が5℃上昇で脱水量が2倍以上

図は高校水泳部の練習時の脱水量と飲水量・発汗量です。タテ軸の単位は、体重1kg当たり1時間にどれだけの発汗量、飲水量、脱水量があったのかを示しています(通常は水泳練習時に水分補給しませんが、この実験では水分補給しました)。

たとえば、水温26.1℃の場合、体重1kg当たり5g発汗して、3g飲水したため、脱水量が2gになります。体重が60kgだとしたら、1時間当たり120g脱水したことになります。同じように水温が31.3℃だと脱水量は4.3gで、体重が60kgなら258g脱水したことになります。水温が約5℃上昇すると、脱水量が2倍以上に増加していたのです。

猛暑時の屋外プールは過酷な環境

「プールでも起こる熱中症」では、屋外プールの問題点を指摘しています。水泳練習中は通常、飲食が禁止となっていることがあり、水分補給ができません。

また、屋外プールには日よけがないことが多く、直射日光による輻射熱が大きく、加えて裸体であるため輻射熱をさえぎることができません。猛暑時は、こうした過酷な条件が重なって熱中症が起こりやすいというのです。

水泳教室で熱中症による死亡事故も

屋内プールも安心できません。2013年8月、室内プール(大阪府東大阪市)で障害者向けの水泳教室に参加していた男性(当時24歳)が熱中症で死亡しました。当時、室温は36℃、プールの水温は32℃だったといいます。

文部科学省は、プールの水温は23℃以上が望ましいとしていますが、水温の上限を定めていません。水温や気温についても何らかの指標を設ける必要がありそうです。

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