天気予報でよく聞くシリーズ 「移動性高気圧」編
ウェザーニュース / 2018年10月20日 9時30分
秋は日本列島の上空を「移動性高気圧」がよく通過する季節です。天気予報でもときどき耳にしますが、今回はその「移動性高気圧」の特徴をご紹介します。
春と秋は移動性高気圧が主役
冬はシベリア高気圧、夏は太平洋高気圧が日本列島の天気を支配します。これらの高気圧は季節を通してあまり場所を移動せず、盛衰を繰り返します。
一方、春と秋はこの移動性高気圧が天気図の主役といってもいいでしょう。日本付近の移動性高気圧は、西から東へと文字通り移動します。
大陸生まれの移動性高気圧は比較的乾燥しています。空気中に水分をあまり含んでいないため、移動性高気圧に覆われるとすっきりと晴れるのです。
高気圧だけど晴天は長続きせず
ただ、移動性高気圧のすぐ後ろには低気圧が控えているため、高気圧の中心が通り過ぎるころには、澄んだ青空には薄雲が広がってきます。
低気圧が近づくにつれて雲は厚みを増し、天気は下り坂に。移動性高気圧に覆われていても、すっきり晴れるのは高気圧の東側半分くらいなのです。
さらに、それだけではなく気温の傾向も違っています。
高気圧の東は冷たい風、西は温かい風
高気圧の周囲の風の向きは、時計の針が進む方向と同じですが、この風の向きが気温に影響しているのです。
高気圧の東側では北よりの風が吹いているのでやや冷たく気温も低め。
このため、秋晴れの澄んだ日はなんとなく空気がひんやりと感じることが多いのです。
一方、西側は南よりの風が吹いているので、南の暖かい空気が流れ込み気温が上昇。
秋なのに暖かさを感じた日のあとは、天気が崩れやすくなります。
天気予報の天気図を見て、自分のいる場所が移動性高気圧の東側、西側に位置を確認しながら空の様子や風の変化を感じてみるのもいいですね。
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