山口県は九州なの!? 天気予報における地方区分の不思議
ウェザーニュース / 2018年11月21日 11時45分
突然ですが、小学校の時の社会の授業を思い出してみてください。
社会の授業で出てきた、日本列島の八地方区分を覚えていらっしゃいますでしょうか。
社会人になってからも、目にする機会はありますよね。
続いて、気象庁が一ヶ月予報など季節予報を発表する際に使用している地方区分をご紹介します。
よく見てみると、違っているのが分かると思います。
具体的に見てみると
1、中部地方は東海と北陸に二分割
2、九州が南北に二分割
3、山口県が九州北部地方に含まれる
この3箇所が大きな違いと言えそうです。もしかしたら大人の事情も含まれているかもしれませんが、気象的にみてもしっかりとした違いがあるんです。
(時々話題になる三重県は東海なのか近畿なのかという問題が、ここにも出てきていますが、今回は割愛させて頂きますね^^;)
山脈によってエリアが分割
西高東低の気圧配置となった場合の模式図
東海と北陸に二分割
日本列島の中央にはいくつもの大きな山脈があり、これらを境に日本海側と太平洋側で天気分布が大きく異なる場合があります。
東海と北陸の間には日本アルプスが存在し、天気分布が大きく異なっています。
特に顕著なのが、西高東低の冬型の気圧配置になった場合。日本海側の北陸地方では雪が降る一方で、太平洋側の東海地方では乾燥した晴天となります。
九州が南北に二分割
九州北部と南部も、九州の中央にそびえる九州山地が関係しています。九州山地の東側斜面は、9月頃は台風、梅雨時は梅雨前線や低気圧の影響を受けやすいため、九州北部と比べて降水量が多い傾向です。
中国大陸からの距離でエリアを分割
山口県が九州北部に含まれる
山口県と広島県や島根県の境となるような山脈がある分けではありませんが、なぜ海を隔てた山口県が九州北部地方に含まれているのでしょうか。
日本海に近い福岡や山口などの冬は、他の日本海側の地域(山陰や北陸地方など)とは少し異なり、日照時間が少ないだけでなく降水量も少ない傾向にあります。
大陸から吹く冷たい北西風が通る海の距離
この理由として挙げられるのが、西高東低の冬型の気圧配置となり、冷たい北西風が中国大陸から日本海を通ってやってくる場合です。
北陸や山陰地方と比べて、山口県を含む九州北部の方が通過する海の距離が短い分、雲が発生しづらく、降水量が少ない傾向にあるようです。
中部地方に比べるとはっきりとした違いではありませんが、長期予報を出すうえでは、山口県は九州北部に含める方が自然なのかもしれません。
師走が近づき、いよいよ世間では忘年会シーズン。
飲み会のちょっとした話題の一つとして、覚えておいてみるのも良いかもしれませんね。
参考資料など
参考:気象庁HP
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