1発の重みが違う… 冬の雷、威力は夏の100倍以上に匹敵
ウェザーニュース / 2018年12月25日 11時15分
冬になると、日本海側では吹雪や、大雪に悩まされるようになります。
さらに、夏によく発生するイメージがある「雷」にも注意が必要なんです。
冬の日本海側は雷多発エリア
![](http://smtgvs.weathernews.jp/s/topics/img/201812/201812190185_box_img0_A.png?1545198495)
※気象庁の観測データ(1981~2010年までの30年間)をもとに作成
集中豪雨とともに夏にやってくるイメージが強い雷。現に関東北部などは、他県に比べて、夏の雷発生数が非常に多くなっています。
しかし、それ以上に冬の日本海側のエリアでは、雷が多発しているのです。
上のグラフを見ると、金沢では12月と1月の冬の時期に非常に多くなっています。
さらに、夏の時期も雷は発生しているため、年間を通して見ると、関東北部に位置する宇都宮より圧倒的に多いことがわかります。
では、そんな冬の雷にはどんな特徴があるのでしょうか。
冬の雷、威力は夏の100倍!?
![](https://smtgvs.weathernews.jp/s/topics/img/201812/201812190185_box_img1_A.jpg?1545199721)
冬に発生する雷は、夏の雷以上に恐ろしい面を持ち合わせています。
夏と冬の積乱雲を比べると、冬の方が圧倒的に背が低く、規模の小さいものになります。
落雷数は極端に少なく、遠くにいてもゴロゴロと音が聞こえる夏とは違い、冬の雷というのは音もなく近づいてきます。
落雷数が少ないというのは、良いことのようにも思えますが、実は一発の威力が強くなります。
一発雷と呼ばれる冬の雷は、なんと夏の雷に比べ100倍以上に達する凄まじいエネルギーを持っています。
また、冬季雷は、夏に比べて予測が難しいという特徴もあります。
夏は午後から夕方にかけてと発生しやすい時間帯がある程度決まっていますが、冬の日本海側の場合、昼夜問わず常に発雷する可能性があります。
さらに、冬は日本海側の広範囲にある多数の積乱雲がある中で、気まぐれにどこかの雲が一発だけ雷を落とすといったような感じで発生するため、予測が難しいのです。
なぜ冬の雷は日本海側に多いの?
![](https://smtgvs.weathernews.jp/s/topics/img/201812/201812190185_box_img2_A.png?1484702457)
特に新潟〜福井にかけては激雷地区とも言われているのですが、なぜ冬の雷は日本海側に集中しているのでしょうか。
冬の積乱雲というのは、日本海を流れる対馬海流の相対的に暖かい海面に、シベリアからの冷たい空気が流れ込むことで、水蒸気が盛んに供給されて発生します。
この雲は、発達しながら季節風によって日本海側に運ばれてくるため、冬の雷は日本海側に多いのです。
日本海側で雷をもたらした雲が、太平洋側にくることはないの?
日本海側でひとしきり雪や雷もたらした雲は、次第に勢力が弱まったり、山にぶつかって小さくなっていきます。そのため、太平洋側に来る頃には乾燥した風になっています。冬の雷への対策
![](https://smtgvs.weathernews.jp/s/topics/img/201812/201812190185_box_img3_A.jpg?1484799557)
日本海側で発生する冬の雷は、雷雲の一番低いところが地上から約300m〜500mしか離れていません。そのため、60mを超す高い構造物が存在すると集中的に落雷する傾向があります。
外で雷に遭遇した場合は、建物の中はもちろん、車の中や電車の中などに避難してください。ただし、家の中に避難する際は、家電製品などから1m以上距離をとるようにしてください。
また、雷による被害は、落雷のような直接的なものだけではありません。
遠く離れたところで雷が落ちたはずなのに、インターネットが使えなくなったり、テレビがつかなくなったりすることがあります。
これは、雷が落ちると、その周辺にある電線や電話線、アンテナなどに大きな電圧・電流が発生することがあるためです。
それにより、家電などが損傷してしまうので、事前に耐雷装置を取り付けておくと良いようです。
参考資料など
【引用元】
音羽電気工業株式会社「数キロ先から誘導雷はやってくる」https://www.otowadenki.co.jp/measures/comes/
気象庁HP「月別の雷日数」https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/thunder1-1.html
【参考・参照元】
NHKそなえる防災「第4回 夏の雷、冬の雷」https://www.nhk.or.jp/sonae/column/20120913.html
公共施設のための雷害対策ガイドブック https://www.city-net.or.jp/wp-content/uploads/2015/02/01_koukyou_raigaitaisaku_kiso.pdf
秋田地方気象台「Q&A」https://www.jma-net.go.jp/akita/Q&A/qandanew_17.htm
北陸電力「北陸の雷の特徴」https://www.rikuden.co.jp/kaminari/tokucho.html
株式会社フランクリン・ジャパン「雷コンテンツ」https://www.franklinjapan.jp/contents/lightning/
株式会社フランクリン・ジャパン「雷の基礎知識」https://www.franklinjapan.jp/contents/lightning/knowledge/
音羽電気工業株式会社「冬の雷」https://www.otowadenki.co.jp/knowledge/winter/
SANKOSHA「雷を知る基礎知識」https://www.sankosha.co.jp/how_to/detail07/
北陸電力「よくあるお問い合わせ」https://www.rikuden.co.jp/kaminari/faq.html
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