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火事の延焼を防ぐカーテンとは

ウェザーニュース / 2019年1月13日 12時30分

ウェザーニュース

太平洋側はカラカラ天気が続き、火事のニュースが増えています。もし火を出しても燃えにくいカーテンやカーペットなら延焼を防いでくれるかもしれません。そんな「防炎製品」で火事にならずにすんだケースを紹介します。

防炎のカーテンが延焼を防いだ

カーテンやロールスクリーンが防炎製品だったため、ボヤ(小火)ですんだ実例を紹介します。

【事例1】
5階建てマンションで、キッチンマットにタバコの火種が落ちたことに気づかず外出したため出火。しかし、キッチンマットの直近のカーテンが防炎製品だったため、被害は床面0.5m2(平方メートル)、キッチンマット、カーテンの軽微な損害ですみました。(2012年12月、川崎市消防局)

【事例2】
戸建ての住宅が放火されました。屋外の可燃物に火がつけられ、炎は居間のガラス窓を熱し、屋内のレースカーテンに引火しましたが、締め切っていた遮光カーテンが防炎製品だったため、帰宅した家人が発見した時は延焼せずに自然鎮火していました。(2014年4月・浜松市消防局)

【事例3】
家人が住宅用火災警報器が鳴っているので台所に行くと、炒めものをしていた鍋から天井付近まで炎が上がっていました。台所の窓にかかっていたロールスクリーンにも炎が接していましたが、幸い防炎製品だったため、初期消火で鎮火しました。(2018年4月、京都市消防局)

いずれも防炎製品でなかったら、カーテンなどに延焼して大きな火災になっていたと思われます。

炎があたっても黒く焦げるだけ

防炎製品とは、燃えにくいカーテンやじゅうたんなどのことです。カーテンを使った燃焼実験では、普通のカーテンは火がつくとすぐに炎が立ちあがり、2分後にはカーテンの3分の1が焼失します。しかし、防炎カーテンは2分経過しても炎があたった部分が黒く焦げただけで燃え広がりませんでした。

繊維製品を防炎化するには、防炎薬剤を繊維に付着させたり、防炎化した合成樹脂を繊維製品の表面にコーティングしたり、原料の化学繊維を製造段階で防炎化したり、さまざまな方法があります。

「防炎ラベル」の見本

こうして防炎化した製品は、公益財団法人日本防炎協会(防炎製品認定委員会)の防炎性能試験基準をクリアすると、「防炎」のラベルを貼付して販売されます。

高層マンションでは防炎製品が義務化

高さ31mを超えるマンション(10〜11階建て以上)は、避難に時間がかかり、火災拡大時に人命の危機が大きいため、消防法によって居住している階に関係なく使用するカーテンやじゅうたん、布製のブラインドなどを防炎製品にする義務があり、違反したら罰則(30万円以下の罰金または拘留)もあります。不特定多数の人が出入りする劇場、病院、宿泊施設、老人ホームなども同じです。

防炎の寝具、パジャマ、エプロンも

高層マンション以外の住宅は防炎製品の使用は義務化されていませんが、冒頭で紹介したように火を出しても延焼を防いでくれるのですから、カーテンやじゅうたん、カーペットなどを買い替えるときは防炎製品を選ぶとよいでしょう。

防炎性能がある布団・敷布・布団カバー・毛布など寝具類、パジャマ、エプロンなどが防炎製品として市販されています。防災製品の価格は普通品に比べて少々高いですが、火災の延焼を防ぎ、被害を最小限にとどめられるのなら、ぜひ取り入れたいものです。


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