寒いと体が震える“シバリング”が命を守る!?
ウェザーニュース / 2019年2月13日 6時25分
寒いと体がガタガタ震えることがあります。なぜでしょうか。調べてみると、私たちが生命を維持するための大切な機能だったのです。
医学用語で「シバリング」
結論から言うと、寒いときに体が震えるのは、筋肉を動かすことで熱をつくり、体温を維持するためです。もう少し詳しく言うと、体温が低下すると脳の視床下部から骨格筋に指令が行き、全身の筋肉が小刻みに震えます。
震えは1分間に最大200〜250回にのぼる不随意運動で、じっとしているときに比べて最大で6倍の熱を作り出すのです。この現象は医学的にシバリング(shivering)と呼ばれています。
命に関わる体温の維持
人間のような恒温動物にとって体温の維持は命に関わることです。身近な例をあげれば、お腹を冷やすと下痢をすることがありますが、これは消化管の温度が低下すると、消化酵素が十分に働かなくなるためです。
私たちのエネルギー源は、ブドウ糖などの糖が酸化分解されてできるアデノシン三リン酸(ATP)ですが、その過程で働く酵素も体温が下がると働きが低下して、エネルギーが供給されなくなります。そのため体温が約31℃以上なら体が震えて熱をつくり出しますが、約31℃を下回るとシバリングが止まり、体温は急速に下がります。シバリングは命を守る大切な生理作用なのです。
熱があるとき
熱があるときに、ゾクゾクして震えることがあります。これも震えて体温を上げようとする生理反応です。熱があるのに体温を上げる必要はないのですが、熱があると外気温との差が大きくなり、寒いと感じて震えるのです。
立春を過ぎましたが、まだまだ厳しい寒さが続きます。体調管理を万全にして、風邪やインフルエンザなどに気をつけましょう。
参考資料など
Nakamura K, Morrison SF. Central efferent pathways for cold-defensive and febrile shivering. J Physiol. 2011 May 24.
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