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平成史 災害③ 東海豪雨(平成12年) 200万都市名古屋を襲った都市型水害

ウェザーニュース / 2019年3月2日 9時0分

ウェザーニュース

平成12年9月2日に発生した台風14号は沖縄近海をゆっくりと西進していました。この台風が1000km以上も離れた名古屋市に記録的な大雨をもたらしました。

線状降水帯の形成による激しい雨

気象庁の資料を元にウェザーニュース作成

平成12年9月11~12日にかけて日本付近には秋雨前線が停滞。台風14号は大型で非常に強い勢力まで発達し、東海上の太平洋高気圧との間で気圧差が大きくなりました。その間を吹く南風が台風周辺の湿った空気を大量に送り込んで雨雲が次々に発達。いわゆる「線状降水帯」が形成され、激しい雨を降らせたのです。

名古屋の1時間雨量は81年ぶりに記録を更新する97.0mm、日降水量は104年ぶりに記録を更新する428.0mmを観測。発生から19年目を迎える現在もその記録は破られていません。

内水氾濫による浸水が相次ぐ

わずか1日で2ヶ月分(9月の月降水量の約2倍)の雨が降ったことで、河川の水位は軒並み上昇。名古屋市内を流れる新川や天白川などが氾濫し、大規模な浸水被害が発生しました。河川の氾濫だけでなく、内水氾濫(※)による浸水も相次ぎ、愛知県全体では7人の方が亡くなり、床上浸水が22,078棟、床下浸水は39,728棟に及んでいます。

近年、激しい雨が増えている中、堤防の強化などによる河川氾濫の防止だけでなく、内水氾濫の対策は都市部の大きな課題のひとつです。

※内水氾濫:街中の排水が間に合わず、水路などから水があふれ出したりする洪水のこと


2019年4月30日で「平成」が終わります。ウェザーニュースでは、平成30年間に起こった気象や災害などを、過去の資料などをもとに連日振り返っていきます。

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