気象予報士が選ぶ3月の空
ウェザーニュース / 2019年3月5日 5時0分
ウェザーニューズの気象予報士が、3月の空の写真を紹介!
冬が終わり、春が始まるこの頃。天気では、冬型の気圧配置が長続きしなくなり、低気圧や移動性高気圧の登場が増える時期です。
気温が高くなることで、花粉が沢山飛ぶようになるのも3月の特徴です。
花粉による光環
光環は雲を作る水滴によって太陽の光が回折されることで発生する現象です。天気下り坂の空に見られる光の輪ハロと同様、七色に色付いた雲を見ることができます。
同じようにみえる現象ですが、ハロは雲の中の氷の粒による屈折で発生、光環は水の粒による回折で発生という違いがあります。その結果、ハロの七色は太陽から離れて現れますが、光環の七色は太陽に接触して現れます。
ここからが本題!
「光環」は雲だけではなく空中の様々な物質によっても発生します。
そのため、一年中現れる「光環」ですが、3月は花粉の大量飛散による光環が見られるのです。
写真の光環も花粉により発生したもの。
雲のない青空に光環が現れた場合は、大量に飛散する花粉に警戒をしてください。
※ハロと光環では色の並びが逆!光環では太陽から遠い所に赤色が現れます。
笠雲、吊るし雲・レンズ雲
上空で風が強く吹いているとき、一定の条件が揃うと笠雲や吊るし雲と呼ばれる雲が発生します。
この雲は山の影響で発生するもので、山頂に笠のようにかかるのが笠雲、山の風下側に点在するのが吊るし雲・レンズ雲です。
風や大気の状況が変わらない場合、同じ場所で発生し続けることや、雲の淵がとてもなめらかことが特徴です。
この笠雲や吊るし雲が現れる条件にピッタリ当てはまるのが、日本海低気圧のとき。そして、今年は2月に連続して日本海低気圧がやってきましたが、実はこれからが日本海低気圧の本番です。
月柱(ムーンピラー)
前回の「2月の空」では太陽柱を紹介しましたが、2015年の3月に太陽柱の月バージョン月柱が現れました。これはかなりレア!
月柱が現れる条件はというと・・・
■上空の風が弱いこと
■氷の粒で出来た雲があること
■月が水平線に近い高さにあること
ここまでは太陽と同じですが、月柱の場合はもう一つ・・・
■月が明るいこと
三日月のように細い月の明かりではたとえ月柱が発生してもその光が弱すぎます。そのため、満月近くの明るい月の日に上記の条件が現れないといけません。
今年の3月は2日(金)と31日(土)が満月。2日はすでに終わってしまいあしたが、31日は夜に東の空を見上げてみると、幻想的な月が見られるかも?
花曇り
桜が咲くころの曇り空。
せっかくのお花見なのに曇り空・・・ちょっと憎い空ですね。
日本では3月後半〜5月が桜の季節ですが、この時期はまさに低気圧が次々にやってくる時期と同じ。
いくら憎くても、これが日本の季節の特徴なので、しょうがないですね。。
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