花粉症の予防・緩和に、ぜひ摂りたい食材!
ウェザーニュース / 2019年3月18日 6時20分
東洋医学には、日々、口にする「食材」を通して体を整え、不調や病気を予防する「食養生」という考え方があります。これは、花粉症にも当てはまります。
そこで、花粉症がつらいこの季節に、予防&緩和のために摂りたい食材を、源保堂鍼灸院の瀬戸郁保先生、瀬戸佳子先生に教えてもらいました。
対策の基本は、「入れない→溜めない→ゆるめる」
東洋医学では花粉症を、花粉という体に侵入した「外邪」との闘いで「熱」が生じ、それが原因でさまざまな症状が起こると捉えています。
そのため、花粉症の予防&緩和でまず大事なのが、(1)花粉を侵入させないこと。万が一、侵入してしまったら、(2)体内に花粉を溜めないこと。それでも残ってしまい、アレルギー反応が生じてしまったら、(3)アレルギー反応をゆるめていくこと。
この3ステップが、東洋医学での花粉症対策となります。では、それぞれのステップで効果が期待できる食材には、どのようなものがあるのでしょうか。
(1)花粉を侵入させない
花粉が体内に侵入する経路には、目や鼻、口以外に、「皮膚」もあります。皮膚が荒れていたり、乾燥していたりすると、花粉が侵入しやすくなるのです。
なので、花粉症対策には、皮膚のケアも実は重要です。そこでまず心がけたいのが、皮膚の乾燥を防ぐこと。そのためのお勧めの食材は、ナッツ類、ごま、ハチミツなど、です。
また、東洋医学では、私たちの体には「衛気」というエネルギーが流れ、それが全身の皮膚表面を外邪から守る働きをしていると考えています。皮膚を元気に保つには、この衛気が全身に十分に満ちていることが欠かせません。
そこで、衛気が生み出される場所とされる「丹田」(おへその下あたりにあるといわれています)を養う食材である「山芋」を、日々の食生活に取り入れていくのがよいでしょう。
その他、目や鼻、口などの粘膜を強くすることも、花粉の侵入を防ぐ上で大切です。食材としては、ニンジン、カボチャ、ハチミツ、発酵食品などがお勧めです。
(2)体内に花粉を溜めない
花粉がすでに体内に侵入してしまった場合は、それを溜めずに、速やかに体外に排出することが最善の対策法になります。具体的には、花粉の持つ「毒」を解毒し、便や尿を通じて、体から出していくことです。
たとえば、体の解毒作用を強めてくれる食材には、春先や春が旬の緑色の野菜(キャベツ、菜の花、ブロッコリー、セリなど)や山菜、シソ、緑豆もやし、豆類などがあります。
一方、お通じや利尿作用をよくするものとしてオススメなのが、きのこ類、豆類、ゴボウ、コンニャク、バナナ、ナッツ類、ごま、海藻類などです。
(3)アレルギー反応をゆるめる
花粉症で苦しんでいる人にとって一番気になるのは、すでに花粉によるアレルギー反応が起こっている時の対処法でしょう。薬などで反応を抑えている人も多いと思いますが、合わせて食材の力も借りて、その反応をゆるめていきましょう。
花粉症の諸症状は、東洋医学的に解釈するなら、花粉という外邪との闘いで生じた「熱」が飛び火した結果です(西洋医学的でいう「炎症」にあたります)。
反応をゆるめるには、まずこの炎症を抑えること。それと合わせて、炎症が起きにくくするために、西洋医学でいうところの「免疫」バランスを調整したり、血液をきれいにしたりします。
そのための食材としては、たとえば、炎症を抑える効果が期待できるものとして、春先、あるいは春が旬の緑色の野菜(キャベツ、菜の花、セリ、クレソンなど)や山菜、パクチー、ゴボウ、豆腐、あさり、しじみなどが挙げられます。
また、免疫バランスを調整していくには、発酵食品やシソ、きのこ類、青魚、オメガ3のオイルなどを、日々の生活で積極的に摂っていきます。
血液をきれいにするためには、玉ネギ、レンコン、黒キクラゲ、酢などがお勧めです。
体の状態を見ながら、必要な食材を摂っていく
花粉症に悩まされている方々は、すでにさまざまな対策を取られていることでしょう。その1つとして、ここでご紹介した「食材」によるケアも取り入れてみてはいかがでしょうか。
もちろん、「全部摂ろう」と頑張る必要はありません。ご自分の現在の状態を見て、ポイントを絞って日常的に摂っていくといいと思います。たとえば、皮膚が荒れがちな人であれば、そのケアにつながる食材を、すでに症状が出てつらい人は、反応をゆるめる効果が期待できる食材を、日々の食生活で意識して摂っていきましょう。
参考資料など
取材先:源保堂鍼灸院(http://genpoudou.com/)、瀬戸郁保氏、瀬戸佳子氏
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