気象病ドクターが朝ごはんを薦める理由とは?
ウェザーニュース / 2019年3月25日 6時25分
あなたは、毎日朝ごはんを食べますか? 3月13〜14日に、ウェザーニュースが行った朝ごはんに関するアンケート調査では、76%の人が「毎日食べる」と答え、残りは「食べたり、食べなかったり」「ほぼ食べない」が半々という結果でした(回答:10,520人)。
「子どもの頃から食べない習慣」「起きてすぐは食べられない」といったコメントも寄せられていますが、朝ごはんを食べる人が圧倒的に多かったのです。
「朝ごはんは食べた方がいい」と、愛知医科大学客員教授・中部大学教授の佐藤純先生は言います。佐藤先生は、ウェザーニューズ気象病顧問アドバイザーとしても活躍する気象病の専門家ですが、なぜ朝ごはんを推奨するのでしょうか。
朝は自律神経が切り替わる時間
目覚めの時間である朝は、体内でもさまざまなことが起きています。内臓などを調整する自律神経は、睡眠時の副交感神経優位から、活動のための交感神経優位に切り替わります。
「気象病の患者さんはこれがうまくいかず、朝が苦手な人が多いのです。私は、患者さんに朝ごはんを食べるようアドバイスしています。朝、しっかりエネルギー源となるものを摂ることで、体が熱を作り、スムーズに活動モードに切り替わるのです」(佐藤先生)
春の不調のカゲに自律神経の乱れ
春は、ふだん元気な人も不調が出やすい時期ですが、ここにも自律神経の乱れが関わっています。
「今年は暖冬だったとはいえ、冬は寒いのものです。体は生理現象として、中心体温を保つために皮膚の血管を収縮させます。つまり、冬は交感神経が優位になるものなのです。春に暖かくなったからといって、すぐに切り替わるものではありません」(佐藤先生)
気温の変わりやすさも悪影響です。「春は1日のうち日中と夜で、また日によって寒暖差があることが珍しくありません。しかも、今の時期はあまり冷暖房を使わないため、室内でも外気温を反映することが多く、意外に体温の保持が難しいのです。自律神経は常に体温を調整しようと働き、疲労が蓄積したり、リズムが乱れ、寒暖差疲労やダルさ、極端な眠気などの体調不良が引き起こされます」(佐藤先生)
春に多い、“季節外れの暑い日”も注意が必要です。「暑ければ、発汗することで放熱しなればなりません。しかし、まだ冬の体から切り替わっていないため、体内に熱がこもりやすいのです。高齢者や小さなお子さんなどでは、3月にもかかわらず熱射病を起こす人もいます」(佐藤先生)
暑さへの準備は今から!
まずは、小さなことから。「天気予報などこまめにチェックして、服装を調節しましょう。冷えると思ったら、熱が奪われやすい足首、手首、胸首をガードすることです。朝ごはんを食べるなど、意識して1日のリズムを整えることが大切です。
また、5月になれば、夏のように暑くなることもあります。今から暑さに耐えられる体づくりをしましょう。放熱の練習となるのは、少し汗ばむ程度の運動です。冬は寒くて散歩を休んでいたという人も、ぜひ再開してください」(佐藤先生)
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