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桜の開花はどこまで早くなるのか? 平成31年間でみる開花日の変化

ウェザーニュース / 2019年3月29日 7時0分

ウェザーニュース

平成史 気候変動①

ひと昔前は入学式に桜が咲いていたのに、このところ葉桜で入学式を迎えることが増えました。桜の開花はどこまで早くなるのでしょうか。

一番早かった年と遅かった年は

気象庁は1953年から全国各地の桜開花日(ソメイヨシノ)を記録しています。東京を例にとると、平成31年間で一番早かったのは3月16日(平成14年、25年)で、これは観測史上でも最も早い開花日です。逆に一番遅かったのは3月31日(平成6〜8年、17年、24年)です。15日も差があります。ちなみに、観測史上で最も遅い開花は4月11日(昭和59年)です。

主に桜の開花を左右するのは気温で、暖かい日が多ければ開花が早まり、気温が低い日が続けば開花が遅くなります。

平成31年間の開花日を10年ごと(平成21〜31年は11年)に平均してみました(端数は切り上げ)。

▼平成元〜10年:26日
▼平成11〜20年:23日
▼平成21〜31年:22日


31年間でも桜の開花日が早まっていることが分かります。

地球温暖化で開花しない地域も?

桜の開花が早まる原因は地球温暖化の影響と言われていますが、温暖化がさらに進行すると、逆に開花が遅くなる地域が出てくると福岡市科学館館長の伊藤久徳さんは語ります。

「私が九州大学大学院教授だった10年前、地球温暖化が進むと桜の開花がどう変化するのか、ある温暖化シナリオのもとで、2100年までの様子をコンピュータ上で再現してみました。すると東北地方で開花が最近(1982~2000年の平均)より2~3週間早まる一方、九州など温暖な地域は逆に1~2週間遅くなるのです」

温暖化が進むと温暖な地域で開花が遅くなるのは休眠打破が起こりにくくなるためです。桜は前年の夏に花芽が形成されて休眠に入り、冬に一定期間低温(3~10℃前後)にさらされると休眠から目覚めるのですが、冬でも低温にならないと休眠から目覚めず、開花が遅れるというのです。

桜が開花しない地域も出現

地球温暖化が進むと開花日が変動するだけでなく、桜が開花しない地域があることも伊藤さんのシミュレーションが示しています。

種子島や鹿児島の西部ではまったく開花せず、九州南部、四国南西部、長崎県や静岡県の一部では開花しても満開にならないという結果になったのです。桜の満開とは8割以上の花がいっせいに開花した状態をいいますが、だらだら咲くと満開にならないのです。

今年も各地で桜の季節を迎えています。ワクワクしながら開花を迎え、5分咲き、満開、そして桜吹雪というフルコースをいつまで楽しめるのでしょうか。

2019年4月30日で「平成」が終わります。ウェザーニュースでは、平成30年間に起こった気象や災害などを、過去の資料などをもとに連日振り返っていきます。

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