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春の風邪予防に「鼻の保湿」のワケ

ウェザーニュース / 2019年4月23日 6時50分

ウェザーニュース

春になるとなぜか毎年風邪をひいてしまう、という人はいませんか。その予防に鼻の保湿はいかがでしょうか。

鼻粘膜のバリア機能

「この時期に風邪をひきやすいのは、冬の間に続いた低温と乾燥によって、鼻や喉の気道粘膜がダメージを受けていることと関係しています」と語るのは、はりまざかクリニック(耳鼻咽喉科・アレルギー科)の三輪正人院長です。

風邪は、咳やくしゃみの飛沫に含まれているウイルスを吸い込んだり、ウイルスが付着したドアノブや電車の吊り手などに触れた手で自分の鼻や口に触れたりして、体に取り込むことで起こります。近年は空気の中にもウイルスが含まれていることが知られています。

「鼻などの上気道は本来、外界から酸素を取り入れる器官として、体内に取り入れてはいけないウイルスや細菌、アレルギー物質やPM2.5のような化学物質などの外敵をブロックするためにバリア機能を備えています。

ところが、冷たく乾燥した外気、室内のエアコンなどによる過度の乾燥、室内外の温度変化に頻繁にさらされて鼻粘膜が荒れてダメージを受けると、バリア機能が損なわれウイルスの侵入、増殖を許してしまうのです」(三輪先生)

鼻粘膜は皮膚より乾燥しやすい

三輪先生の研究によると、「鼻の粘膜は、空気中の湿度が低いと、その影響を非常に受けやすく、著しく乾燥してしまいます。下図は相対湿度10%という乾燥した人工気象室における鼻上皮粘膜の変化ですが、鼻粘膜バリア機能を示す『鼻粘膜上皮間電位差』が有意に低下しています」

風邪対策として、手洗い・うがいの徹底はもちろん重要ですが、前述の点からこの時期の風邪に対しては特に、「鼻の保湿が大切です。保湿すると、鼻の粘膜のバリア機能の働きを助けられるのです」(三輪先生)

マスクで湿度を95%に上げる

春の風邪予防に一番よい方法は、「マスク」です。理由は、(1)ウイルスは鼻の入り口の粘膜でも増殖しやすいので、マスクはウイルスの侵入を防ぐだけでなく、(2)鼻の湿度を保つことができるからです。

「マスクをするとマスクのなかの湿度を、上げることができます。人の細気管支内の相対湿度(95%)と同じくらいまで上げられると理想的です。マスクによって湿度を保つことで、バリア機能を亢進させることができます」(三輪先生)

外出時はもちろん、「室内でのマスク着用もおすすめ」とのこと。なぜなら、加湿器などによる過剰な加湿はカビの発生を助長するからです。

また、室内外の温度差による鼻粘膜のダメージを防ぐ効果もあります。

花粉症の人は要注意

保湿の方法はマスクのほかに、鼻に塗るタイプの保湿剤も効果的です。

「ウイルスがいちばん繁殖しやすい鼻の入り口に、綿棒などを用いて保湿剤を塗るのがよいでしょう(粘膜を傷つけないよう注意が必要)。また、スプレー式のものや点鼻式のものを用いると、鼻気道の奥深いところや副鼻腔の入り口を保湿する効果も見込めます」(三輪先生)。

特に、花粉やハウスダストなどのアレルギー反応があると、鼻の粘膜はさらに荒れやすく、バリア機能もダメージを受けやすくなります。スギやヒノキの花粉症、アレルギー体質の人は、万全の対策が必要です。就寝中にマスクを着用するのもよいそうです。

春の風邪予防のためには、症状を感じる前から、マスクや保湿剤を使った鼻の保湿対策を取り入れてみてはいかがでしょう。

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