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中身は花粉や黄砂だけではない!? 春の風がツラい理由とは

ウェザーニュース / 2019年4月30日 5時45分

ウェザーニュース

春は日本列島に南よりの風が吹くことが多いですが、ほこりに悩まされることはありませんか。「春は肌がかゆい」「何か調子が悪い」という声も、よく聞きます。そのツラさには理由があるようです。

ほこりにはさまざまな大気有害物質が!?

「ほこり」と一言であらわすことが多いのですが、空気に含まれる微細な物質は、さまざまな成分が混在しているといいます。ロート製薬株式会社が行った大気汚染に関する研究によると、皮膚へ悪影響を与えるだけでなく、その種類によって影響が異なるといいます。

「大気有害物質ついては不明な点が多かったのですが、研究を通してそれぞれの粒子によって、肌に与える影響が違うということがわかったのです。そして、しみやエイジング(加齢)を引き起こす原因の1つとして、対策を講じる必要があるのです」(ロート製薬基礎研究開発部 細胞技術グループ リーダー・須田一真さん)

代表的な大気有害物質には、花粉、ゴビ黄砂、自動車粉塵、都市大気粉塵の4つがあります。

花粉と黄砂が肌のかゆみに

この時季の悩みのトップにも挙げられる花粉や、近年注目される黄砂があります。

「ゴビ黄砂とは、中国大陸のゴビ砂漠などで風によって巻き上げられたもので、鉱物や土壌粒子が含まれており、偏西風によって日本まで運ばれてきます。ゴビ黄砂と花粉は、かゆみやアトピー性皮膚炎の原因となる因子・インターロイキン33(IL-33)の発現を上昇させることが明らかとなりました。つまり、肌のかゆみが強くなりやすく、アトピーなどの要因になるということです」(須田さん)

都市大気粉塵などは肌のバリア機能が低下

一方、自動車粉塵や都市大気粉塵は、違った反応が見られました。

「都市大気粉塵とは、さまざまな理由で発生した粒子状物質に、無機成分・炭素成分・金属成分・土壌成分が、自然吸着または化学反応で結合したものです。自動車粉塵と都市大気粉塵は、肌のバリア機能を低下させること、肌の酸化ストレス性炎症を誘導することがわかりました。これらは、肌のしわやしみ、敏感肌につながると考えられます。

都市大気粉塵ひとつとっても、発生源はさまざまです。土壌粒子や火山噴煙など自然発生するものもあり、日本は四方を海に囲まれているため海塩粒子などの影響もあり、地域や環境に適したケアが大切です」(須田さん)

では、どうしたらよいのでしょうか。

「まずは、しっかり洗い流し、これらの大気有害物質の付着を防ぐことが大切です。また、お子さんや、炎症が起きているなど肌のバリア機能が低いときは影響が大きいことがわかっています。肌荒れが起こりやすい状態なので、しっかり保湿をすることを心がけましょう」(須田さん)

10連休などで外出する機会も増えるこの時季は、都市大気のリスクを知ることで、春の肌トラブルにしっかり対処していきたいものですね。

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