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「暑熱順化」が今年の猛暑を乗り切るポイント

ウェザーニュース / 2019年5月18日 9時30分

ウェザーニュース

5月に入り、熱中症を発症する人が増えています。本格的な夏を迎える前に、汗をかける体にすることが熱中症を予防し、猛暑を乗りきるポイントとなります。

熱中症の救急搬送が昨年を上回るペース

5月12日までの2週間に熱中症で救急搬送された人は全国で1228人いました(総務省消防庁調べ)。猛暑だった昨年の同じ時期(805人)を上回るペースです。

「徐々に体を暑さに順応させることを暑熱順化(しょねつじゅんか)と言います。今の時期、私たちの体はまだ春モードなので、これを夏モードに切り替えることで暑熱順化をするのです。具体的には汗をかける体にすることです」と言うのは、ウェザーニュース気象病顧問アドバイザーで愛知医科大学客員教授・中部大学教授の佐藤純先生です。

「汗をかけば、汗が蒸発するときに体から気化熱を奪って体温の上昇を防ぎます。しかし、汗を十分にかくことができないと体温が上昇して熱中症になってしまうのです」と佐藤先生は発汗の大切さを強調します。

運動と入浴で発汗を促す

どうしたら汗をかける体になるのでしょうか。

「ウォーキングやエアロビクスなどの有酸素運動を汗ばむ程度の強さで20〜30分ほど行ってください。発汗を促すことが目的なので、ウォーキングならやや早足で、エアロビクスも早いテンポでやる必要があります」(佐藤先生)

運動が苦手という人もいるでしょう。

「入浴で汗をかいても結構です。シャワーですませる人が少なくありませんが、2〜3日に一度は37〜38℃のぬるめのお湯に10〜20分浸かって汗をかいてください。入浴してから就寝すると、体温が下がる過程で入眠できるのでグッスリ安眠できる効果もあります」(佐藤先生)

水分の摂り方も大切

汗をかけば水分摂取が必要になります。その水分の摂り方も大切だと言います。

「人は食事から摂る水分以外に1日に1.5〜2.0リットルの水分が必要です。水分摂取が欠かせない夏に向けて意識して水分を摂る習慣をつけることが熱中症予防になります」(佐藤先生)

なお、この時期にかく汗には特徴があると佐藤先生が言います。

「夏になる前にかく汗はミネラル成分が多いのが特徴です。真夏にかく汗に比べて、マグネシウム、カルシウムなどが濃いのです。スポーツドリンクなどで補給する必要はありませんが、ミネラル成分が多い食事を心がけてください」(佐藤先生)

マグネシウムはアーモンドなどの果実類、ひじきなどの海藻類、シシャモや丸干しイワシなどの魚介類、ほうれん草などの緑黄色野菜、それに豆腐や納豆などの大豆製品に多く含まれています。カルシウムもマグネシウムが多い果実類・海藻類・魚介類・緑黄色野菜・大豆製品に加えて牛乳やヨーグルトなど乳製品に多く含まれます。

暑さがピークを迎えるまであと3ヵ月ほど。今の時期に汗をかける体づくりをして、今年の猛暑を乗りきってください。

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