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目から入る紫外線で肌が日焼けするって本当?

ウェザーニュース / 2019年5月21日 16時9分

ウェザーニュース

紫外線が気になる季節になりましたが、長袖に手袋、つば広の帽子をかぶって肌の露出を防いでも、目から入る紫外線で肌が日焼けするって知っていましたか?

これを「目肌焼け」と言いますが、どうしたら「目肌焼け」を防ぐことができるのでしょうか。

なぜ「目肌焼け」は起きる?

大阪市立大学医学部名誉教授で健康科学研究所(大阪市淀川区)の井上正康所長らのチームが、マウスの目に紫外線を当てたところ、肌が日焼けするという実験結果が出ました。紫外線を当てたのは目だけなのに、なぜ皮膚が日焼けしたのでしょうか。実験を行った井上所長が解説します。

「目の角膜に紫外線が当たると炎症を起こし、これを脳が検知して視床下部・下垂体から副腎皮質刺激ホルモンやメラノサイト刺激ホルモンが産生分泌されます。これらのホルモンにより全身のメラニン産生細胞が刺激され、紫外線が当たっていない皮膚でもメラニンが産生されて日焼けしたのです」

井上所長らがこの研究結果を発表したのは2012年のことで、専門家が注目して国際的な話題になりました。

「目肌焼け」の対策は?

日焼け止めや日傘で日焼けを防止しても、目に紫外線を浴びると肌が日焼けするなら、その対策はどうしたらよいのでしょうか?

「紫外線が角膜に炎症を起こし、それが引き金になって肌が日焼けするのですから、一番有効な対策は紫外線が強い季節や時間帯にサングラスをかけることです」(井上所長)

井上所長らは一昨年に『SHADE SKIN PROJECT』(シェイド・スキン・プロジェクト)を立ち上げ、「目肌焼け」対策を呼びかけています。プロジェクトでは、全国の20〜50代の女性500人に「あなたは目から入る紫外線が肌のメラニンの生成を刺激して日焼けやシミの原因になることをご存知ですか?」と質問したとこころ、「よく知っている」が14.2%、「何となく知っている」が45.8%と6割の女性が知っていたのです。

ところが、「あなたはふだんサングラスをかけますか」と質問したところ、日常的にかけている人は14%に留まり、レジャーなど特別な場合にのみ着用する人を除くと、6割以上の女性がサングラスをかけていませんでした。

夏のサングラスは疲労も防止する

「日射しが強い時期は女性だけでなく、男性にもサングラスをかけていただきたいです。そもそも『目肌焼け』の原因は、目の角膜が炎症を起こし、それを脳がストレスと感じてメラノサイト刺激ホルモンなどを分泌するからです。

強い紫外線はストレスとなって脳を疲れさせ、仕事のパフォーマンスも低下させます。サングラスなどで目を保護すれば疲労が軽減されてパフォーマンスも向上します。プロのマラソン選手がサングラスをかけているのもそのためです」(井上所長)

先の500人の女性に対するアンケートで、サングラスをかけない理由を聞いたところ、「自分にはサングラスが似合わない」「自分に似合うサングラスがわからない」という回答が目立ちました。サングラスに抵抗があれば、UVカット眼鏡やUVカットコンタクトレンズなどを使って、「目肌焼け」対策をしてはどうでしょうか。

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