梅雨前に知っておきたい! 正しい水やり、5つのポイント
ウェザーニュース / 2019年5月20日 10時30分
5月21日は二十四節気の「小満」。「陽気さかん万物ようやく生じ満つる」と言われ、ガーデニングを楽しむ人にとっては花の生長が楽しみな季節です。植物を育てる上での基本は「水やり」。とりわけ鉢植えの場合は土が乾きやすく、水やりは欠かせません。
正しい水やりの方法を園芸専門店ガーデンストリート店長(グリーンアドバイザー)の大内純一さんに教えてもらいました。
植木鉢 水やりの5つのポイント
(1)土が乾いてからたっぷりと
水やりなんて簡単! と思うかもしれませんが、園芸の世界では「水やり3年」と言われ、知識と経験が必要で、植物を育てるのに大切な作業なのです。
与える量は、鉢の大きさや植物の種類、土の配合などによって異なりますが、基本は土が乾いたらたっぷりと与えることだそうです。
「土の表面がさらさらしていて白っぽく見えたら、水やりをしてください。表面は乾いていても土の中はまだ湿っていることもあるので、指を1cmほど土の中に入れてみて、湿っていない状態か確認してみるのもよいでしょう。土が乾いていれば、鉢底の穴から水が染み出てくるまで水を与えてください」(大内さん)
(2)ルーティーン化しないことが大切
では、どのくらいの頻度で行えばよいのでしょうか?
5月の今頃の季節なら、朝1回程度、暑さが極まる夏場は朝夕の2回が目安とされていますが、大内さんは「お天気によって水やりの間隔は異なってくる」と言います。
「気温が高いとき、湿度が低いとき、風が強いときは、水分が蒸発して土は乾きやすくなり、水を与える間隔が狭まります。土が乾いているかの確認を忘れずにして、お天気に応じてタイミングは臨機応変に対応しましょう」(大内さん)
また、植物は体内温度を下げるため葉から水分を蒸散します。土が乾いて根から吸収する水分が足りないと、葉や花のみずみずしさがなくなります。葉がしおれてきたら水切れのサインです。
(3)水と空気を補うのが水やり
水を鉢底から出るまでたっぷり与えることで空気を入れ替える
「水やりには、水分を補給すると共に、土の中の古い空気を押し出して新鮮な空気と入れ替えるという目的があります」と、大内さんは解説します。
「植物は呼吸をしていて、根は酸素を取り込んで二酸化炭素を吐き出します。水を鉢底から出るまでたっぷり与えることで、水圧でこれらの二酸化炭素や汚れが流れ出されます。土が乾くと、この水の通った隙間に新しい空気が入り込み、植物の根に酸素を供給することが可能となるのです」(大内さん)
土が乾くまで水やりを待つのがベストなのは、こうした理由によります。
(4)溜まった水はその都度捨てる
花を大事に育てたい…そんな思いから、初心者はつい水をたっぷり与えたくなりますよね。しかし、水のやりすぎは植物を枯らせる原因になってしまうので、注意してください。
水を頻繁に与えると、土の中に古い水が溜まり、酸欠になって根腐れしてしまうのです。また、鉢皿に水を溜めておくと、同様に根腐れの原因になるので、溜まった水はその都度捨てるように心がけましょう。
(5)上から水をかけるのはNG
花に水がかかるのもよくない?
みなさんはジョウロやホースで花の上から水をかけていませんか? それは上手な水やりとは言えません。葉がたくさん茂ってボリュームのある鉢植えは、水やりをしても水が葉にはじかれてしまいがちです。それに花に水がかかると、花は傷んでしまいます。
大内さんのアドバイスは「水やりのコツは、葉を手で持ち上げながら株元にゆっくり水を注ぐこと」、また「与えるときはたっぷりと。与えたら土が乾くまで待つ、といったメリハリをつけて水を与えてください」と話しています。
6月には梅雨に入り、梅雨が明ければ夏本番です。天気状況を気にかけて、土や葉の状態をよく観察して、適切な水やりで花を育てましょう。
参考資料など
取材協力:株式会社ナカツタヤ ガーデンストリート(長野県松本市)
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