避難意識の向上で被害想定が9万人減 南海トラフ地震で命を守る行動とは?
ウェザーニュース / 2019年6月1日 16時10分
マグニチュード9クラスの巨大地震が想定される南海トラフ地震は、日本付近で起きる地震としては最大規模の地震の一つで、これまで被害想定は最大約32万3000人とされていました。
しかし、政府の中央防災会議は5月31日に、地震による想定死者数が最大約23万1000人と従来から約9万人減ったという最新の被害想定を公表しました。内閣府は、住民の津波からの避難意識が向上したことなどが主な要因と分析しています。
意識の高まりで被害は本当に減る?
避難意識の向上が想定死者数の大幅減に繋がったという今回の発表について、東北大学災害科学国際研究所の今村文彦先生は、ウェザーニュースの取材に対し、以下のようにコメントしました。
「特に津波による人的被害は、様々な備えや対応を実施することで、低減が可能であり、今回はその実例を示したことになる。今後もさらなる推進が必要であるが、住民の防災意識・避難意識は変化しやすい。さらに、要支援者に対する課題は残っている。」
では、具体的にどのようなことを意識し、行動することが、命を守ることに繋がるのでしょうか?
地震発生時 命を守る3つのポイント
地震発生確率が高いとされる南海トラフの「地震津波避難対策特別強化地域」に指定されている宮崎県では、減災行動により人的被害(死者)は4分の1に軽減できるという試算を公表し、命を守る3つの行動として、以下のポイントを挙げています。
(1)耐震化・家具の転倒防止
住宅の耐震化や家具の転倒防止により地震に備える
(2)早期避難
津波や洪水などから安全な場所に迅速に避難する
(3)備蓄
水や食糧など生活必需品を最低3日分、できれば1週間分揃える
また、南海トラフ巨大地震では、津波の被害が特に懸念されています。宮崎県が公表する被害想定によると、地震から十数分で最大17mの津波が襲い、死者の約89%は津波によるとしています。
つまり、津波への減災対策を徹底することが、被害を大幅に減らすことに繋がります。
津波から身を守るには、とにかく「逃げる」
津波から身を守るには、とにかく「逃げる」しかありません。具体的にどのように逃げれば良いのか、宮崎県では、津波から避難する4つのポイントを挙げています。
いつか必ず起きると言われている南海トラフ巨大地震。地震の発生自体を防ぐことはできませんが、今回の政府の発表や今村先生のお話からもわかるように、減災意識を高めることで、地震や津波の被害は大幅に減らすことが出来ます。
ご自身や大切な方の身を守るためにも、日頃からいざという時に備えるようにしましょう。
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