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当たる?外れる? 2019年5月の天気予報の精度を評価

ウェザーニュース / 2019年6月21日 14時0分

ウェザーニュース

2019年5月は北海道で39.5℃を観測するなど季節外れの猛暑となり、気象にも関心が集まった月となりました。

我々ウェザーニュースでは、精度の高い天気予報を提供することを使命と考え、日々予報精度の改善に取り組んでいます。

2019年5月の精度実績を、ウェザーニュース予報精度改善チームの気象予報士 宇野沢が解説します。

5月の予報精度は“90%”

実はさまざまなアプリやサイトによって、同じ日の同じ場所でも天気予報が違います。1995年の「天気予報の自由化」以降、予報を出す会社が独自に、天気や気温の予想を出すことができるようになりました。

そんな中、2019年5月のウェザーニュースの予報精度は、90%となりました。2019年1月~5月を合わせた数字では92%となっています。

  月ごとの詳しい結果

※ここで扱う予報精度は、気象庁の評価方法に準拠した「降水捕捉率」を指しており、朝5時に発表された当日の天気マークを対象としています。
対象地点はアメダス1300箇所で、1日の積算降水量が1mm以上となった場合を「降水あり」としています。

また、気象庁も同様に、発表した予報に対して評価を行っており、ホームページ上で一般に公開しています。

“当たる”天気予報を作るには

予報精度を向上させる(当たる天気予報にする)には、今の状況がどうなっているのかを正しく把握することが非常に重要です。

現在の天気予報は、気象予測モデル(数値予報モデル)と呼ばれる、コンピューターによるシミュレーションの結果をもとに行っています。
このシミュレーション結果を計算する際に、今の状況が外れていると、正確な天気予報が作られる確率が低くなってしまいます。

ウェザーニュースは、気象庁が設置しているアメダス観測網をはるかにしのぐ数の独自観測網を構築しました。

高性能センサーを搭載した独自観測機・ライブカメラ・会員から集まる天気報告などがそれにあたります。

それにより、今の状況をより正確により緻密に把握することが可能になり、より正確な天気予報を導くことができているのです。

独自観測網で雨のタイミングを把握
捕捉率100%に迫る事例も

5月21日(火)は、日本列島を寒冷前線が通過し、西日本から北日本にかけて雨のエリアが移動していき、広範囲で雨が降った日です。この日の降水捕捉率は99.6%と、100%に近い数字となりました。

この日注目したいのは、「雨の降り止み」と「雨の降り出し」のタイミングです。

雨の降り止みについては、ウェザーニュース独自観測網により、朝の予報を発表する際に、近畿周辺ではすでに雨が止んでいることを正確にとらえられました。

また、北日本などの雨の降り出しについては、一連の雨雲の東への進行が前日から予想より早まっていることを感知し、この日のうちに降り出すと伝えることができたのです。

5月を振り返ってみて

5月を振り返ると、降水捕捉率が90%と目標を達成することはできました。
ただ日々を振り返っていくと降水を見逃した日もあり、ここについては原因を分析し、対策をとることで精度向上を図ります。

これからは、予測が難しい突発的な強雨が発生しやすくなる季節です。その兆候をいち早く捉えるために、センサーデータやウェザーリポートの解析システムの改善を続け、適確に予報できるようにしていこうと考えています。


【宇野沢 達也】
ウェザーニュース予報センター 気象予報士。千葉県旭市出身 自治体防災担当職員から転職し入社26年目。予報精度改善チームで予報業務および精度検証・改善を行っている。

参考資料など

降水捕捉率 検証方法説明(気象庁ホームページ) https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/kensho/explanation.html
気象庁 天気予報検証結果 https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/data/kensho/score_f.html

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