富士山は天気予報の鏡 かかる雲で分かることとは?
ウェザーニュース / 2019年8月11日 5時0分
2013年に世界遺産に登録されてから、いっそう世界中からも注目されている富士山。
富士山を見ていると、上の写真のように山頂付近が雲で覆われることがあります。これを「笠雲」といいます。さらに、富士山から少し離れたところに変わった形の雲が浮かんでいますが、こちらは「吊るし雲」と呼ばれています。
実はこれらの雲を手掛かりに、天気や季節などを読み取ることができるんです。
笠雲とは?
上空を流れる湿った空気が山の斜面にぶつかることによって、強制的に上昇気流が発生し、雲ができます。これが笠雲の正体。
風上側の斜面では雲が発生する一方で風下側の斜面では雲が消えていくという現象を繰り返し、まるで頂上付近に留まっているように見えます。
つるし雲とは?
山を越えた湿った空気がその風下でも波打ち続け、強制的に風が上昇している部分で雲が発生します。これがつるし雲。つるし雲も空の同じところにずっとあるように見えるのですが、これは風が上昇するところでは雲ができ、風が下降するところでは雲が消えるという現象を絶え間なく繰り返しているためです。
季節によって雲の形が変わる
まるでUFOのように空に浮かぶ吊るし雲は、季節によって形が実に様々。風の強さや気温などが雲の形に影響するため、今の季節であれば「だえん」や「かどう」などを見ることができるかもしれません。
雲を見れば天気予報いらず!?
また、吊るし雲や笠雲は、天気下り坂のサインと言われています。実際、これらの雲が現れてから24時間以内に雨が降る確率はかなり高くなっています。
ただ、笠雲の中には、まえかけ笠やつみ笠など晴れを告げるものもあるんです。
せっかくの富士山に雲がかかるとちょっと残念な気もしますが、これからはその雲の形などにもぜひ注目してみてください。
参考資料など
ウェザーリポートbyけんさん
富士山NET http://www.fujisan-net.jp/index.php
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