台風で自分の体に変化が起きる「気象病」とは?

ウェザーニュース / 2019年8月14日 11時31分

ウェザーニュース

台風10号が日本列島に接近。既に西日本では各地で台風の影響が出始めていますね。

身体に違和感はありませんか?実は、台風が近づくと症状が出る気象病があるのです。

台風で私たちの身体に起こること

気象病とは、気圧や湿度、気温などの変化に影響を受け、引き起こされる不調や病気です。代表的なのが、気圧の変化をきっかけとする痛みです。

「私は“天気痛”と呼んでいますが、国内では約1000万人もの人に症状があると推定されています。ほかにも心臓病や脳卒中、うつなどの精神疾患、喘息、歯周病など、多くの病気が気象の変化により悪化することがわかってきています」(ウェザーニューズ気象病顧問アドバイザー・愛知医科大学客員教授・中部大学教授の佐藤純先生)

佐藤先生が、気象病に大きく影響していると考えているのが、気圧の変化です。

例えば人体そのものが、気圧の変化により膨張・収縮しており、肺や血管なども影響を受けます。これらはストレスとして自律神経に作用し、気象病を招くのです。

気象病の患者さんは、数ヘクトパスカルの差でも頭痛やめまいなどの不調に苦しめられますが、台風では数十倍の変化が急速に起きます。

「台風で症状が悪化しやすいのが、脳梗塞や心臓病等の循環器系の病気とめまい、ぜんそくなどです。もともと心疾患のある人は、命に関わることもあります」(佐藤先生)

台風で“元気”になる人も!?

普段は気象の影響を意識することがなくても、台風のときに気づく人もいるかもしれません。

「私も、数年前に名古屋に台風が来たときにひどく気持ちが悪くなり、自分に気象病があることを自覚しました。台風のときは、病院の救急外来では循環器系等の急患が増えますし、産気づく人も増える。気づいていなくても、自律神経への影響は大きいのです」(佐藤先生)

興味深いのが、台風による気象病が多様な現れ方をすることです。

「台風により、症状の出方が異なるのです。例えば、通常とは逆向きのコースを辿った台風12号では、多くの患者さんがひどい症状を訴えました。逆に、『この台風は平気』ということもあります。

また、雨のときはダルさや気持ちの落ち込みを感じるのに、台風では逆に外に出たくなるという患者さんも少なくありません。子どもも台風でソワソワしたりします。気象病が精神的変化として現れていると言えます。

また、台風が遠方にあるときから、症状の出る人もいます。台風のように大きな気象現象は、それだけ大きなエネルギーを持っているもの。水槽に1滴水を落としてできた渦が台風だとすると、微かなさざなみが端まで届くように、気象病の人ははるかかなたの変化を前ぶれとしてキャッチしているのかもしれません。その仕組みが、私の研究テーマでもあります」(佐藤先生)

地球温暖化の影響が気象病にも

近年は、ゲリラ豪雨など極端な気象の変化が増えていますが、それらにも注意が必要です。

「ゲリラ豪雨は、ヒートアイランド現象によって狭い範囲で強い上昇気流が発生することで、突発的に激しい雨が降るもの。そこだけ気圧が下がり、雨で気温も急激に低くなります。私が行った実験でも、10℃程度の気温差により循環器に負担となることがデータとして示されています」(佐藤先生)

また、夏の過ごし方の影響が、秋以降に不調となって現れることがあるかもしれません。

「今年は厳しい暑さを避けるため、冷房の効いた環境で過ごす時間が長かったのではないでしょうか。自律神経がいつもの夏とは違う働き方をしたので、冬に向かって気温が下がっていく時期は、気をつけた方が良いでしょう」(佐藤先生)

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