そのまま食べても吸収率ゼロ!? ゴマの栄養を効果的に摂るには
ウェザーニュース / 2019年9月30日 6時35分
ゴマは、サプリメントとしても人気の成分を持つ食品の一つです。もっともよく知られている成分はセサミンですが、その他にも健康に良い成分が含まれるそうです。管理栄養士の柴田聡美先生にゴマの栄養成分と健康効果、上手に摂取する調理法を伺いました。
セサミンはゴマリグナンの一種
ゴマといえばセサミンという成分を思い浮かぶ人が多いと思います。セサミンはゴマに含まれるゴマリグナンの一種です。
「ゴマリグナンとは、ポリフェノール系の物質で、体内で発生する活性酸素を除去し、若返り(アンチエイジング)に効果があると注目されています。また、肝機能を改善し、コレステロールを減少させ、脂質代謝を促進するなど、多くの効果と効能が明らかになっています。セサミンはゴマリグナンの中でも最も多く含まれています。
ゴマには他に、セサモリン、セサモール、セサミノール、エピセサミンなどのゴマリグナンも含まれています。これらの成分も抗酸化作用を持ちますが、加熱したり油に溶かしたり、腸内細菌によって分解されるなど、何かしらの作用を受けた後で効果を発揮します」(柴田先生)
調理法で変わる健康効果
抗酸化作用を持つ成分が豊富に含まれているゴマですが、実はそのまま食べても栄養成分がほとんど吸収できないそうです。
「ゴマは外皮が硬いので、粒のまま体内に入っても消化されることなく、体外へ排出されてしまいます。しかし、粒が小さいので歯で噛み砕くことも困難です。そのため、食べた量に比べて栄養の吸収効率が悪くなってしまうのです。
ゴマの健康効果を最大限高めるためには、外皮を壊した状態、つまり、すりゴマの状態で食べましょう。ただし、すりゴマは酸化しやすいので、食べる直前にするのがベストです。
また、ゴマにはセサモリンという成分も含まれています。これは加熱によってセサモールに変化して、強い抗酸化作用を持つようになります。したがって、焙煎(ばいせん)された色の濃いゴマ油には豊富に含まれます。またセサミノールは脂溶性で、逆に焙煎しない白いゴマ油に豊富に含まれるのです」(柴田先生)
ゴマは含まれる栄養成分の性質によって摂取できる種類も量も変わるので、すりゴマ、ゴマ油をバランスよく、目安としてゴマの粒なら1日大さじ1~2を摂るとよいそうです。
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