秋の便秘の解消法 5つのタイプ別対策食材を紹介
ウェザーニュース / 2019年10月21日 7時0分
秋になると便秘になる人が増えます。ひと口に便秘といっても、冷えやストレス、食べすぎなど原因はさまざまで、下剤では治らないこともあります。国際中医薬膳師で源保堂鍼灸院の瀬戸佳子先生が、便秘をタイプ別に分類し、それぞれに合った食材を紹介します。
秋に便秘になりやすい理由
自然界でも葉が落ちる秋は、人間も余分なものを捨てる季節です。
「秋は『収斂(しゅうれん)の季節』と言われ、必要なものだけを残すと言われています。収斂作用がうまく働かないと、からだの中に余分な熱や湿気、老廃物などが滞り、吹き出物、肌荒れ、口内炎、頭が重い、めまいなどの不調が起こることがあります。
また秋は湿度が下がり、大腸が乾燥して便秘になりやすい季節。秋の便秘は免疫を低下させ、冬に風邪をひきやすくなることも多いので、今のうちに改善しておくことが大切です」(瀬戸先生)
タイプ別の便秘対策
便秘は何日も排便がないものだけでなく、定期的に排便していても、時間がかかる、スッキリしない、下痢と便秘を繰り返すなども便秘に含まれます。長期の下剤の使用は排便機能を衰えさせることもあります。体質別の便秘対策が必要です。
▼貧血タイプ/血虚(けっきょ)
便がコロコロしている、便意はあるが出にくい、便が乾燥して固いなどの特徴があれば貧血タイプです。
「顔色が悪い、めまいや立ちくらみがする、動悸がするなどの症状がみられることもあります。貧血で腸内の水分量が少なくなり、排便がスムーズにできない状態です。女性は生理前後に多く、貧血を改善しながら、水分を補う必要があります。
レバーや赤身肉、カツオ、マグロなど鉄分の多いもの、落花生、黒ゴマ、松の実、ほうれん草など潤いを増すものを摂取するといいでしょう。
下剤の使用は貧血症状が進むことがあるので控えてください。血液が増えないと便秘は改善しないので、食生活で体質改善を心がけてください」(瀬戸先生)
▼ストレスタイプ/気秘(きひ)
便意があるのに排便できない、ガスが溜まる、お腹が痛い、頻繁にゲップが出る、イライラするといった症状があればストレスタイプです。
「ストレスにより気が詰まって発散されないことで、便も詰まって便秘になるタイプです。仕事がある日は時間の都合や緊張で排便できず、休日になると何度もトイレに行くという人も多く、下剤でも解消できません。ストレスの緩和(気の巡りをよくする)が便秘解消に効果的です。
気の巡りをよくする柑橘類(特に皮)や、ミント、しそ、パクチー、バラなど香りの良いものを摂るといいでしょう」(瀬戸先生)
▼冷えタイプ/冷秘(れいひ)
便がなかなかでない、便意があまりない、便は固くない、お腹や背中が冷たい、顔色が白いといった特徴があれば冷えタイプです。
「からだが冷えて腸の蠕動(ぜんどう)運動が弱まり便秘になっています。冷え性の人がなりやすく、お腹やからだを温め、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促すことが改善につながります。からだを温めるえび、鶏肉、羊、にら、酒かす、黒砂糖、シナモン、便通をうながす黒ごま、くるみ、などを摂るといいでしょう。冷たいもの、生もの、甘いものを控えてください。バナナやアロエなども食物繊維は多いですが、からだを冷やすので避けてください」(瀬戸先生)
▼食べ過ぎ・暑がりタイプ/熱秘(ねつひ)
便が固く臭い、お腹が張って痛い、口が渇いて口臭が気になる、顔が赤い、などの特徴があれば食べすぎタイプです。
「酒類や脂っこいもの・味の濃いものなどのとり過ぎや食べ過ぎで、腸の中に熱がこもり、便が乾燥して排泄されません。からだや腸の熱を取り除き、腸内に十分な水分を取り戻すことが改善につながります。
脂の多い肉類を避け、一時的に食事の量を減らします。熱を取りつつ通便を促すバナナ、パイナップル、こんにゃく、アロエ、イチジク、こんにゃく、ルバーブなどを摂るといいでしょう」(瀬戸先生)
▼虚弱タイプ/気虚(ききょ)
便意はあっても力がなくて排便できない、りきむと汗が出たりと息が切れる、排便後に疲れる、そして便は固くないなら虚弱タイプです。
「排便する力が弱まっています。出産後、過労、高齢者などによくみられます。体力を補うタンパク質をしっかり摂ってください。また便通をよくするサツマイモ、アボカド、きのこ、はちみつ、松の実などもおすすめです。下剤を用いると、慢性的な下痢になったり、体力が奪われることがあるので避けてください」(瀬戸先生)
タイプ別に紹介した食材を1週間ほど摂っても改善されない、または悪化する場合は、タイプを間違えた可能性が高いので、タイプを変更してみましょう。自分のタイプに合った食材を摂って、溜まった便秘をスッキリ解消しましょう。
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