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インフルエンザウイルスの寿命は湿度で決まる

ウェザーニュース / 2020年1月29日 5時10分

ウェザーニュース

インフルエンザを感染させるウイルスは宿主の細胞内で増殖しますが、体外に排出されると長生きできないとされます。しかし、ウイルスの生存率には温度と湿度が大きく関係しているのです。

湿度が低いとウイルスは長生きする

インフルエンザウイルスの寿命を調べた研究は、G.J.ハーパーが1961年に発表した「ウイルスの生存実験」が知られています。実験装置にインフルエンザウイルスを浮遊させ、温度や湿度を変えてウイルスの生存率の変化を見たものです。

温度21〜24℃、湿度20%の場合、6時間後生存率は60%でしたが、湿度を50%に上げると生存率は3〜5%に落ちました。

次に温度7〜8℃、湿度22〜25%の場合、6時間後生存率は63%でしたが、湿度を50%に上げると生存率は35〜42%に低下しました。

ところが温度を32℃に上げ、湿度も50%に上げると、6時間後のウイルス生存率は0%だったというのです。

この実験結果から分かることは、温度が低く湿度も低い環境ではインフルエンザウイルスの生存率が高くなることです。そのため、気温が低く空気が乾燥する冬にインフルエンザが流行するのです。

対策としては、加湿器などを使って湿度を50〜60%に上げれば、インフルエンザウイルスの寿命が短くなり、感染のリスクを下げることができます。

くしゃみ1回でウイルス200万個

インフルエンザに感染している人が、くしゃみを1回すると200万個、咳でも10万個のウイルスが周囲に飛散するとされます。飛び散る飛沫は水分を含んで重いため長時間空中を漂うことはありませんが、湿度が低いと飛沫から水分が蒸発してウイルスだけになって長時間空気中を漂い、空気感染するリスクを高めます。

この点からも、湿度が低いとウイルス感染のリスクが高まります。インフルエンザの感染を予防するには、加湿器などを使って部屋の湿度を50〜60%に保つことを心がけてください。

参考資料など

「Survival tests with for viruses」(G.J.Harper)

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