【インフル・新型肺炎対策】手洗いが感染対策になる意外なワケ
ウェザーニュース / 2020年2月19日 5時50分
インフルエンザが流行していますが、新型肺炎にも警戒が必要です。さまざまな感染症対策がありますが、「手洗いが一番有効」と専門家は言います。なぜ手洗いが感染症対策になるのでしょうか?
人は無意識で顔を触っている
「インフルエンザはウイルスが鼻や口、目の粘膜に付着することで感染します。ウイルスが粘膜に付着すると数分から20分で細胞内に入り込んで増殖します。その感染ルートで一番多いのは自分自身の手なのです」。そう語る横浜相原病院(神奈川県横浜市)の吉田勝明院長は次のような調査を紹介します。
米国の国立衛生研究所(NHI)が地下鉄の乗客を調査したところ、吊り革や手すりを触る回数が1人平均3.3回、顔を触る回数が3.6回でした。別の調査で、人は3時間で鼻を平均16回、唇を平均24回触るという報告もあります。つまり、外出の際は病原体が手に付着する機会が多く、その手で目・鼻・口を触ると感染するリスクが高くなるのです。
マスクは接触感染にも有効
新型肺炎の世界的流行でマスク不足が起こっています。マスクにはこんな効果もあると言います。
「当たり前のことですが、手にウイルスが付いただけではインフルエンザや新型肺炎に感染しません。その手で顔を触るから鼻や口、目の粘膜にウイルスが付着して感染するのです。とはいっても人は無意識に顔を触ってしまうので、マスクをしていれば鼻や口を触らないですみます」(吉田院長)
吉田院長によると、セキやクシャミによる飛沫感染より、自分の手を介しての接触感染のほうが何倍も多いそうです。インフルエンザや新型肺炎の感染を予防するために、ぜひ手洗いを徹底してください。
1分間の手洗いでウイルスが数十個に
吉田院長おすすめの効果的な手洗い方法
だから、インフルエンザ流行時は外出から戻ったら必ず手を洗うことが感染予防の基本になります。
上記のイラストのように石けんやハンドソープを使って手を洗うと、手の表面の皮脂に付着しているウイルスも洗い流せます。手洗い前の手にウイルスが100万個付着していたとすると、1分間の手洗いで数十個(約0.001%)に減らせます。外出から帰ってきて1分間の手洗いをすれば、食事前やトイレの後は流水で15秒の手洗いをすれば十分です。
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