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今が旬の「シラウオ」と「シロウオ」を区別できますか?

ウェザーニュース / 2020年3月22日 11時3分

ウェザーニュース

2月から4月が旬のシラウオと、旬が同じシロウオ。出回る時期も一緒で名前が似ているので、同じ魚だと思っている人が多いと思います。実は漢字で書くとシラウオは「白魚」、シロウオは「素魚」で、種類も全く異なる魚です。詳しい話を船橋地方卸売市場の魚卸「山末」の内海治久さんにお聞きしました。

白魚はシラウオ科、素魚はハゼ科

「シラウオ」「シロウオ」と名前はそっくりな上に、地域によっては素魚も「シラウオ」と呼ばれることがあるようなので、混同しやすいですね。でもまったく別の種類の魚だそうです。紛らわしいので、ここでは「白魚」「素魚」と表記することにします。

「白魚はちょうど今ぐらいの時期が旬で、入荷が多くなっています。体全体が白く半透明で、顔がとんがっています。キュウリウオ目シラウオ科の魚で、北海道、青森、秋田、茨城など東日本中心に漁が行われています。一方、素魚は透き通った身体で茶色っぽい骨が透けて見え、顔が丸みをおびています。スズキ目ハゼ科の魚で、北海道南部から九州南部まで棲息しています」

名前が似ている上に旬の時期も近いので紛らわしいですが、確かによくみると姿が違いますね。

「ちなみに白魚は江戸時代、江戸っ子に大変好まれた魚で、徳川家康も大好物だったそうです。額に葵の御紋があるように見えるからとか、野良仕事をしない殿様の手の指のようだからとトノサマウオと呼ばれたこともあるそうです」(内海さん)

生は珍しい白魚 踊り食いできる素魚

白魚と素魚は別の種類の魚ということですが、味や食べ方にも違いがあるのでしょうか。

「白魚は、水揚げされて空気に触れるとすぐ死んでしまう弱い魚です。そのため、水揚げ後、時間を置かずに鮮度が良いうちは生で食べられますが、それほど鮮度の良いものが手に入りにくいので、生は高級寿司ネタとして有名です。生でなくても卵とじや釜上げ、天ぷらで食べるととてもおいしいです。生より火を通した方がむしろ味が濃くなるからと好む人もいます。

一方、素魚は福岡市の室見川では名物になっているぐらい、生きたままをポン酢で食べる“踊り食い”が有名な魚です。どちらもほのかな甘みとわずかな苦味があり、春の味を感じさせます」(内海さん)

大きさは、白魚が約10cm、素魚は約4cmですが、出回っているものは稚魚ではなく、りっぱな成魚だそうです。白魚は比較的手に入りやすいですが、素魚はなかなかお目にはかかれません。お鮨屋さんなどで軍艦巻きのネタやおつまみとして、供されるケースが多いようなので、もし見かけたら旬の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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