五月雨、五月晴れ、五月蝿い…かつて日本人が感じていた5月とは
ウェザーニュース / 2020年5月8日 11時10分
5月になり、すっかり新緑の季節となりました。
5月といえば晴れる日が多く、すがすがしいといった印象がありますが、旧暦の5月は現在の梅雨の時期にあたります。
つまり、旧暦が使われていたころの5月は、雨の季節だったのです。
「五月晴れ」という言葉は、現在はすっきりとした5月の晴れ模様に使われますが、旧暦が使われていたころは梅雨の晴れ間を表す言葉でした。
この言葉からも、昔の人々の5月のイメージが今とは違っていたことがわかると思います。
“五月”がつく言葉は多数
辞書で「五月」のつく言葉を探してみると、その数は他の月に比べて多めです。
五月人形(ごがつにんぎょう)、五月幟(ごがつのぼり)、五月鯉(ごがつごい)のように端午の節句にからんだ言葉のほかにも、旧暦5月の印象を残す五月雨(さみだれ)、五月躑躅(さつきつつじ)、五月蠅い(うるさい)などがあります。
五月晴れがもともと梅雨の晴れ間をさしていたように、五月雨は旧暦5月に降る長雨、つまり梅雨のことをさしています。
そして、現在の5月下旬から7月に咲く花にサツキがあります。
サツキはツツジの仲間で、旧暦5月ころに咲くことから五月躑躅(さつきつつじ)と呼ばれるようになりました。
“うるさい”はなぜ5月のハエと書く?
また、「うるさい」という形容詞には、五月の蠅(ハエ)という漢字があてられることがあります。
今の5月にはハエの姿を見ることはあまりありませんが、梅雨のころになると、しだいにハエがうるさくなってきます。
あの清少納言もハエについて、にくいもの、かわいげのないものと述べていて、ハエは古代からうるさい、さわがしいものの代表としてとらえられていたようです。
とくに活動を始め出す梅雨のころ、旧暦5月のハエのうるささはこの上なく、やがて「うるさい」に「五月蠅い」という文字をあてるようになりました。
このように、五月雨、五月躑躅、五月蠅い、に使われている「五月」は、梅雨のころの印象をふくんだことばとして今も残っているのです。
今は、なかなか屋外で季節を満喫しづらいかもしれません。
今年の5月は、古くから伝わる日本語から季節を感じ取ってみるのはいかがでしょうか。
この記事に関連するニュース
-
堀井気象予報士のお天気情報 めんたいワイド 11月25日
FBS福岡放送ニュース / 2024年11月25日 18時51分
-
冬装束へ「更衣(ころもがえ)」 平安時代を再現 京都御所秋の特別公開11月27日から
産経ニュース / 2024年11月24日 8時0分
-
季節の色楽しむ 高岡古城公園の紅葉見頃
KNB北日本放送 / 2024年11月21日 20時8分
-
たくさんある"11月の異称" 「神帰月」とは?
ウェザーニュース / 2024年11月1日 5時0分
-
色鉛筆画で世界を驚かせる 線画と写実、両立探究する無名画家 地元に続き12月に米LAで個展
まいどなニュース / 2024年10月27日 10時0分
ランキング
-
1和歌山知事が国民民主党を批判 年収の壁巡り「無責任」
共同通信 / 2024年11月25日 16時28分
-
2兵庫・斎藤知事、違法性改めて否定 PR会社へ金銭支払い
日テレNEWS NNN / 2024年11月25日 16時13分
-
3「70万円あまりを11月4日に支払った」 斎藤兵庫県知事代理人が内訳も明かす 知事選の選挙活動めぐり公選法違反の可能性との指摘を受け対応 近く「請求書を公開する」とも
ABCニュース / 2024年11月25日 14時43分
-
4池袋暴走事故の飯塚幸三受刑者(93)が死亡 松永拓也さん「後悔や経験の言葉を託された。死を無駄にしたくない」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月25日 11時38分
-
5「佐渡島の金山」の追悼式には不参加 韓国側が佐渡市で独自の追悼行事 《新潟》
TeNYテレビ新潟 / 2024年11月25日 12時1分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください