花を長持ちさせる簡単プロの技
ウェザーニュース / 2020年4月30日 10時40分
新型コロナウイルスの影響で春のイベント自粛が続くなか、農林水産省は需要が減少している花の消費拡大を図るため、春の花を家庭や職場に飾って楽しむ「花いっぱいプロジェクト」を始めました。
新型コロナウイルスの影響が長期化していますが、自宅にいながら春の花を楽しむことで、少しでも心の癒やしにしたいですね。せっかく飾った切り花を、できるだけ長く楽しむコツについて、フラワーデザイン界の第一人者である川崎景太さんに教わりました。
花を飾る前の“ひと手間”がポイント
花を飾ろうと思った時、そのまま花瓶に活けるよりもっと花が長持ちする方法があるのを知っていますか?
じつは、花を長持ちさせるための大切なポイントは、実際に花を飾る前の準備にあります。フラワーショップで購入したり庭で摘み取ったりした花をそのまま飾るのではなく、飾る前に“ひと手間”加えるようにします。そうすることで、花の鮮度が保てるようになるのです。さっそく川崎さんに花を長持ちさせる方法を紹介してもらいましょう。
プロに教わる「花を長持ちさせる3ステップ」
【Step1/紙で包む】
花や花茎、葉を新聞紙などの紙で包み、テープなどで止めます。花の上部分を紙からはみ出さないように包むことで、曲がるのを防ぐことができます。
【Step2/茎を斜めに切る】
紙の下部分から出ている花材の茎は、断面が斜めになるようにハサミでカットします。斜めにカットすることで断面の面積が大きくなり、水を吸い上げやすくなります。
【Step3/1~2時間、吸水させる】
水が入った容器に入れ、切り花がシャキッと元気になるまで1~2時間、吸水させます。この時、水の腐敗を防ぐため、水に触れる部分の花材についている葉は取りのぞきます。
この3ステップで準備は完了。たっぷり吸水した花材を使って活ければ、いつもより格段に長持ちするはずです。
プロが実践するテクニックとは?
応用編として、プロが実践しているテクニックも教えてもらいました。花を長持ちさせるために「葉などをさばく」という方法です。具体的には、アクセントとして残したい花や枝以外、とくに葉が重なって重苦しく見える部分をつけ根から切り、間引くようにして整理する、という作業をします。
「根のない切り花は、茎や枝の切り口から水を吸い上げ、葉で呼吸をしながら水分を蒸発させています。葉などをさばくのは、水の蒸散量を減らし、花材がしおれるのを防ぐ目的もあります」と川崎さん。葉をさばくのは、いつまでも切り花がみずみずしくシャキッとしていられる秘訣といえます。
花にとって快適な環境を与えていれば、より長くいきいきと咲き誇っていられるもの。飾った花を長持ちさせる工夫をすることは、私たちが毎日を丁寧に生きるための小さな知恵でもあります。
参考資料など
取材協力/川崎景太(KEITA KAWASAKI・フラワーアーティスト) HP:http://www.keitakawasaki.net/
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