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大雨の中を車で走行時、冠水したらどう行動する⁉︎

ウェザーニュース / 2020年7月14日 5時0分

ウェザーニュース

7月初めから梅雨前線が日本付近に停滞し、各地で大雨による被害が続出しています。大雨特別警報が発表されたら車で避難する人も多いでしょうが、水害発生時は車での避難は危険です。車での避難は避けるようにしましょう。

集中豪雨などの急激な大雨が多発している昨今は、運転中に大雨に遭遇する可能性もあります。道路がまたたく間に冠水し、車が水没してしまうという事故も増えています。車の水没を避けるためには、どのように対応すれば良いのでしょうか。

走行できるのは水深30cmまで?

JAF(日本自動車連盟)が「冠水路走行テスト」を行っています。実施した場所は、アンダーパスが冠水した場合を想定し、前後にスロープを設けた水平部が30mのコースです。

それによると、セダン(2000cc)の場合は水深30cmの冠水路なら走行できましたが、水深60cmになるとエンジンが停止しました。走行可能な水深30cmでも、時速10kmならエンジンルームに水が入ることはないのですが、時速30kmになると水を巻き上げ、エンジンルームに多量の水が入り、エンストの可能性がありました。

また、エンジン位置の高いSUVは、時速10kmなら水深60cmでも走りきることができましたが、時速30kmではエンジン下部からも大量の水が入り込み、わずか10mでエンジンが止まりました。ドライバーは「浸水時の衝撃も大きく、車体が一瞬浮き上がってハンドルが取られた」と言います。

水深は走ってみないとわからない

JAFによると、一般的に走行可能とされる水深はドアの下端、つまり車の床面が浸からない程度です。車種によっては水深30cmでも危険です。とはいえ、冠水路は見た目だけでは水深を判断できません。

「車の床面以上の水深でも直ちに浸水しませんが、車が浮いてしまい、エンジンの吸気口から水が入ったり、排気管が水圧でふさがれ、エンジンが停止してしまうのです。そのため、道路が冠水している場合は、進入せずに迂回するようにしましょう。

特に立体交差で掘り下げたアンダーパスと呼ばれる道路は、大雨が降ると短時間で浸水することがあります。そこで立ち往生して乗っていた人が犠牲になる事例が発生しているので、ためらわずに迂回してください」(JAF)

車が浸水したときの対処法

車が冠水路でエンストしたら、慌てずにエンジンキーをオフにして避難を始めましょう。

「車から出るときは、足で水深を測りながらゆっくり足をつき、進んできた方向に歩いて戻ります。水が濁っているとマンホールのフタが外れていてもわからないので、一歩一歩確かめながら歩いてください」(JAF)

もし外の水圧によってドアが開かず、窓ガラスも開かない場合はどうしたらよいのでしょうか。JAFによる解説をまとめました。

(1)慌てずにシートベルトを外す
(2)先の尖った緊急脱出用ハンマーを使ってガラスを割る。その際はまず窓の四隅を割ると効率良く割ることができる
(3)ハンマーがない場合は、車内外の水位がほとんど同じになって水圧の影響が少なくなるタイミングを見計らう。ドアが開きそうな状態であると感じたら、そのタイミングを逃さず、大きく息を吸い込み足などに力を込めて押し開け、一気に脱出を図る

「万が一に備えて、脱出用ハンマーは車内の手に届くところに常備しておくことが大切です。脱出後は、車は水が引くまで放置しますが、キーは付けたままでドアをロックせずに避難し、そのことをJAFや販売店に連絡します。水が引いても車のエンジンをかけると破損や感電する恐れがあるので、必ずJAFや整備工場などで点検を受けてください」(JAF)

近年は想像を超えるような集中豪雨が多発していることもあり、油断は禁物です。「これくらいの冠水なら行けるかも」「前の車が行けたから大丈夫」などと思わずに、迂回したり安全な場所に停車して様子をみるなど、安全を最優先に行動してください。


参考資料など

JAFクルマ何でも質問箱「クルマが冠水・浸水してしまったら?」「クルマが水没したときの対処と脱出法とは?」

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