富士山の山頂に笠雲 午後の雨を予兆するサイン
ウェザーニュース / 2020年7月20日 7時30分
静岡県富士宮市より(20日7時頃に撮影)
週の始まりの今日20日(月)は、富士山周辺では朝から富士山が見られています。その山頂には笠雲がかかり、時間とともに雲が大きくなりました。
笠雲は「天気下り坂のサイン」と言われる
笠雲は天気下り坂の予兆として良く知られています。
これは天気が曇りや雨に向かう際には、上空の高いところから空気が湿り気を帯びてくるためで、標高の高い富士山の山頂付近はすでに湿り気を帯び始めているということがわかります。一方で、まだ地上付近は十分な湿り気がなく雲ができていないため、地上から笠をかぶったような富士山が見られるのです。
今日このあとは雲が増え、雨が降り出す
早朝は富士山の山頂付近のみが雲に覆われていましたが、7時を過ぎたころから周辺では雲が増え始めてきました。
富士山周辺では、今日このあとはさらに雲が厚くなり、午後には雨が降り始める予想です。まさに、早朝に見られた笠雲は天気下り坂のサインだったと言えそうです。
笠雲とは?
![](https://smtgvs.weathernews.jp/s/topics/img/202007/202007200035_box_img4_A.jpg?1590538860)
笠雲は「レンズ雲」と呼ばれる種類の雲の一種で、富士山に限らず高い山の山頂付近に出現することがあります。特に、
・「上空の風が強い」
・「湿った空気が存在する」
という状況の時に発生しやすくなります。
強い風が富士山にぶつかると、両側や上方に風の流れが変わります。空気が湿っていると、空気が山にぶつかって持ち上げられると膨張して冷えることで雲ができ、山頂の風下側では再び空気が下ることで空気が暖まって雲が消える、という原理で山頂付近にだけ雲ができるのです。
時間が経過しても空気の流れは急には変化せず、風が上昇する過程で雲が出来て、風が下降する過程で雲が消えていくという現象を絶え間なく繰り返すことによって、同じ場所で雲が止まって見えるのです。
参考資料など
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
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