過大な緊急地震速報 震源位置の推定に大きなずれが発生
ウェザーニュース / 2020年7月30日 16時45分
30日(木)9時36分頃、鳥島近海を震源とするマグニチュード5.8の地震が発生しました。緊急地震速報のシステムでは房総半島南方沖を震源とするマグニチュード7.3の地震と解析され、千葉県や伊豆諸島で震度5強の揺れが到達するとして、警報が発表されたものの、震度1以上の揺れは観測されませんでした。
震源の位置が450kmずれる
地図:国土地理院
気象庁は11時30分に会見を行い、その理由について説明しています。今回、地震が発生した鳥島近海は周辺の地震計が少なく、地震計の配列の広がりも限られていることから、震源の位置の決定が難しく、実際の震源の鳥島近海から約450km離れた房総半島南方沖が推定されました。
震源の位置がずれたことで、小笠原諸島・母島で検知された揺れのデータから推定されたマグニチュードが過大に見積もられ、緊急地震速報の発表に至ったということです。
(母島から見て本来の震源よりも遠くで起きた地震と計算されていたため、より大きなマグニチュードを推定)
緊急地震速報の仕組み
緊急地震速報のしくみ(気象庁HPより)
緊急地震速報は、最初に地震の揺れが観測された直後に各地の揺れの到達時刻や震度を予想し、可能な限り素早く知らせる仕組みのことです。地震発生を予知しているわけではないため、震源に近いところでは速報が間に合いませんが、震源から離れた場所では強い揺れが到達する前に身構えることが可能になります。ただ、あくまで予測であるため、誤差が生じます。
今回のように地震計の少ない領域で地震が発生した場合や、複数の地震がほぼ同時に起こった場合などに過大に評価される場合があります。
ただし、こうしたケースは少なく、緊急地震速報が発表された時は最悪の事態を想定して身の安全を守る行動をとることが重要です。
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