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台風10号は過去最強クラスで週末に接近・上陸 未曾有の災害への備えは一刻も早く

ウェザーニュース / 2020年9月2日 10時45分

ウェザーニュース

9月2日(水)9時現在、台風10号(ハイシェン)はマリアナ諸島を西寄りに進みながら発達中です。

今後は記録的に暖かい海面水温の影響で猛発達し、明日3日(木)には「強い」勢力、4日(金)には「非常に強い」勢力を予想しています。発達ピークの勢力を保ったまま、6日(日)に九州など西日本に接近・上陸するおそれがあります。

過去最強クラスで接近・上陸の可能性があり、最悪のケースを想定して極力早めに台風への備えを行うようにしてください。

▼台風10号 9月2日(水)9時
 存在地域   マリアナ諸島
 大きさ階級  //
 強さ階級   //
 移動     西南西 15 km/h
 中心気圧   990 hPa
 最大風速   25 m/s (中心付近)
 最大瞬間風速 35 m/s

予想進路には東西の幅

台風10号の予報円は先の予想になるほど大きくなっています。これは台風の大きさや強さを示しているわけではなく、進路の不確実さを表しています。

予報円は70%の確率で台風の中心が入ると予想される範囲を示していて、四国から九州、沖縄まで、台風10号のとりうる進路には大きな幅があることがわかります。

進路次第で各地への影響が大きく変わるため、あらゆる可能性を考慮して、各地にとっての最悪のケースに備えることが重要です。

日本の南の海面水温は記録的な高さ

海面水温の解析(ピンクが30℃以上の海域)

今年は海面水温の高い海域が例年よりかなり北に広がっていて、台風10号の進む領域は30℃近い異例の暖かさとなっています。一般的に、海面水温が28℃程度以上であれば台風が発達しやすく、さらに上空の風が弱いなどの条件が揃えば、より急速に発達します。

本州沿岸でも海面水温が高いことから、日本に上陸直前になっても普通の台風のように勢力を落とさず、6日(日)9時の予想は中心気圧930hPa、最大風速50m/s、最大瞬間風速70m/sの「非常に強い」勢力が予想されています。発達最盛期の勢力で、接近・上陸することになる見込みです。

▼予報 4日後 9月6日(日)9時
 存在地域   九州の南
 強さ階級   非常に強い
 移動     北北西 20 km/h
 中心気圧   930 hPa
 最大風速   50 m/s (中心付近)
 最大瞬間風速 70 m/s

統計開始以来最強クラスで接近・上陸のおそれ

上陸時の中心気圧が低い台風(気象庁)

「非常に強い」勢力で上陸すれば、2018年の台風21号以来となります。この台風の襲来時には、大阪市など関西の市街地で最大瞬間風速50m/s前後の暴風に見舞われ、屋根が飛んだり車が横転するなどの甚大な暴風被害が発生。記録的な高潮によって関西国際空港が水没したり、神戸市の臨海部が浸水する被害も発生しました。

中心気圧930hPaで上陸すれば、「第2室戸台風(上陸時925hPa)」、「伊勢湾台風(上陸時929hPa)」といった歴史的な災害をもたらした台風に匹敵することになります。

気象庁は
「伊勢湾台風」級(中心気圧930hPa以下又は最大風速50m/s以上)の台風や同程度の温帯低気圧が来襲する場合に、特別警報を発表します。
としており、今回はこの条件を満たす可能性もあります。

出来る備えは一刻も早く

飛ばされやすい物を片付けるなどの対策や、非常持ち出し袋の中身の確認、必要な備品などの購入は、早い段階で行うことをおすすめします。

ただし、商品の数には限りがあるので、無駄な買い占めは行わず、本当に必要な物を必要な数だけ購入するようにしてください。

台風の名前

台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。

台風10号の名前「ハイシェン(Haishen / 海神)」は中国が提案した名称で、文字通り海の神という意味です。

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