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台風10号 6日(日)から日本接近 920hPa前後と特別警報級の勢力 甚大な被害発生のおそれ

ウェザーニュース / 2020年9月3日 5時35分

ウェザーニュース

9月3日(木)3時現在、台風10号(ハイシェン)はフィリピンの東の海上を、急速に発達しながら西よりに進んでいます。

今後は記録的に暖かい海面水温の影響などで猛発達し、4日(金)には「非常に強い」勢力、5日(土)には「猛烈な」勢力になる見込みです。920hPa前後と記録的な発達具合のまま、6日(日)に沖縄や奄美に、7日(月)には九州に接近するおそれがあります。

予報通りの中心気圧で接近すると特別警報レベルで、過去最強クラスとなります。上陸しない場合でも、甚大な被害につながる危険性があります。最悪のケースを想定して極力早めに台風への備えを行うようにしてください。

▼台風10号 9月3日(木)3時
 存在地域   フィリピンの東
 大きさ階級  //
 強さ階級   強い
 移動     西北西 20 km/h
 中心気圧   975 hPa
 最大風速   35 m/s (中心付近)
 最大瞬間風速 50 m/s

海面水温高く、今後も猛発達 記録的な勢力で接近

海面水温の解析(ピンクが30℃以上の海域)

今年は海面水温の高い海域が例年よりかなり北に広がっていて、台風10号の進む領域は30℃以上の異例の暖かさとなっています。一般的に、海面水温が28℃程度以上であれば台風が発達しやすく、さらに上空の風が弱いなどの条件が揃えば、より急速に発達します。

本州沿岸でも海面水温が高いことから、日本接近時になってもほとんど勢力を落とさず、6日(日)3時の予想は沖縄の大東島周辺で、中心気圧915hPa、最大風速55m/s、最大瞬間風速80m/sの「猛烈な」勢力となっています。
7日(月)3時の予想は九州の西で、中心気圧925hPa、最大風速50m/s、最大瞬間風速70m/sの「非常に強い」勢力が予想されており、接近もしくは上陸時の勢力としては記録的なものとなる見込みです。

過去にないような暴風や高潮に見舞われるおそれ

高潮のメカニズム

予想通りの勢力で接近・上陸した場合は大雨、暴風、高潮を中心に甚大な被害が予想されます。

九州の本土で最大瞬間風速60m/sを観測したのは、1945年の鹿児島県枕崎市(62.7m/s:枕崎台風)、2004年の雲仙市・雲仙岳(63.7m/s:台風23号)、1999年の熊本県天草市・牛深(66.2m/s:台風18号)など数回しかありません。九州に上陸もしくは西岸ギリギリを通った場合は、過去に経験したことがない暴風に見舞われるおそれがあります。

また、中心気圧が非常に低いことで、高潮も危険です。気圧の低下による吸い上げ効果と、暴風による吹き寄せ効果が重なった場合は、記録的な高さの潮位になってもおかしくありません。高潮は台風の進路によって、影響の大きいエリアが変化しますので、必ず最新の予想進路を確認してください。

甚大な被害発生のおそれ 出来る備えは一刻も早く

2018年台風21号時に発生したトラック横転

高潮で関西空港が浸水したり、顕著な暴風でトラック横転や家屋被害を引き起こした2018年台風21号以上の勢力が予想されているため、それと同等もしくはさらに甚大な被害が発生してもおかしくありません。

飛ばされやすい物を片付けるなどの対策や、非常持ち出し袋の中身の確認、必要な備品などの購入は、早い段階で行うことをおすすめします。

ただし、商品の数には限りがあるので、無駄な買い占めは行わず、本当に必要な物を必要な数だけ購入するようにしてください。

台風の名前

台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。

台風10号の名前「ハイシェン(Haishen / 海神)」は中国が提案した名称で、文字通り海の神という意味です。

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