夏の終わりの庭は害虫だらけ!? どう退治する?
ウェザーニュース / 2020年9月7日 10時45分
暑かった夏も峠を越え、秋の気配が漂うこの頃、久しぶりに庭の木を手入れしようと見回すと、害虫が発生しているのに驚くかもしれません。どう退治したらよいのでしょうか。
秋は害虫が発生する時季
「夏の盛りはあまり虫が発生しませんが、夏の終わりから秋口にかけて庭の草木に害虫が発生します。害虫にとっても過ごしやすい時季だからです」というのは、アース製薬研究部生物研究課の有吉立課長です。この時季の庭木には、次のような害虫が発生しやすいといいます。
【アメリカシロヒトリ】
桜、プラタナス、ポプラ、ヤナギなどにつく。毛はあるが毒はない。街路樹などで大量発生し社会問題化することがある。食欲が大変旺盛。幼虫は集団で加害し、大きくなると分散して加害するため、集団でいるうちに早めに駆除することが効果的。
【イラガ】
様々な樹木につく。毒のある毛を持つ蛾(ガ)。毒トゲに触れると電気が走ったような痛みが生じるため、触れないように注意する。
【カイガラムシ】
様々な樹木につく。樹木の幹や枝などに寄生し固着して、吸汁加害する。寄生された植物は衰弱し、排泄物によりすす病が発生するなど二次的被害もある。
【ハダニ】
様々な果樹、野菜、花につく。葉裏に生息する。葉について口針を刺し吸汁するため、その跡が白色や褐色の斑点として残る。生息密度が過密になると、葉全体が白っぽくなり、植物の生育に影響を与える。
【アブラムシ】
様々な野菜、花、果樹、樹木につく。植物の新芽に好んで寄生し、口針を幼枝の先端部や茎に差し込んで汁液を吸う。吸汁中は肛門から透明な液(甘露)を出すため、それを求めてアリが集まる。
【ハマキムシ】
様々な樹木、果樹、花、野菜につく。葉を丸めたり、葉っぱをつづってくっつけたりして中に隠れる。新芽や新葉を好み被害を受けた葉っぱが丸まる。
ケムシと小さな虫で違う駆除法
庭木の害虫はどのように駆除したらよいのでしょうか。
「ケムシと小さな虫とでは駆除方が違います。アメリカシロヒトリやイラガのようなケムシ類は、ケムシ専用のエアゾールタイプの駆除剤がおすすめです。一方、ハダニやアブラムシなど小さな虫は、食酢100%の殺虫殺菌剤をたっぷり散布すると退治できて、家庭菜園でも収穫直前まで何度も使えます」(有吉課長)
庭木に害虫は寄り付かないようにする予防法を教えてください。
「密生しないように剪定し、風通しを良くすれば害虫は寄り付きません。剪定時期は植物によって異なるので、それぞれ適期に行なってください。庭木につきやすいケムシは、効果が約1ヵ月持続するケムシ専用のエアゾールタイプの駆除剤をスプレーしておくと予防できます」(有吉課長)
害虫に悩まされる時季ですが、しっかりと対策を施して庭木を守り、気持ちよく秋を迎えましょう。
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