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健康やダイエットにも サトイモの「ぬめり」を落とさない調理法

ウェザーニュース / 2020年9月14日 5時0分

ウェザーニュース

毎年これから冬にかけて、東北地方の芋煮会がニュースになりますが、その主役がそろそろ旬を迎えるサトイモ。山で採れるイモをヤマノイモと言うのに対し、人里で採れるからサトイモと呼ばれるようになったとも言われています。

サトイモはジャガイモやサツマイモに比べるとやや地味な存在にも思えますが、実は他のイモにないすぐれた栄養効果があるそうです。詳しい話を野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。

ぬめりにすぐれた健康効果

サトイモには、独特のぬめりがあります。このぬめりがサトイモの健康パワーの要だそうです。

「サトイモのぬめりは、主にたんぱく質と多糖類によるもので、血中のコレステロールを減らして動脈硬化を防ぎ、高血圧を予防する働きがあるといわれています。また、胃粘膜の保護や腸のはたらきを活発にし、便通や肌のつやの改善にも役立つとされているのです」(吉田さん)

さらに、イモ類の中ではカロリーが低いので、ダイエットにも適していると言います。

「サトイモのカロリーはジャガイモの7割強、サツマイモの4割ほどしかないので、食べものが美味しくなるこれからの季節に他のイモよりカロリーを気にせず食べられます。また、水溶性食物繊維も豊富なため、整腸や便秘改善にも効果的で肥満防止にもオススメです。その他にも、ナトリウムの排泄を促すカリウムや、皮膚の新陳代謝を活発化するとされるビタミンB6などの栄養成分も豊富に含んでいて、美容効果も高い食材といえます」(吉田さん)

大事なぬめりは落とさず調理

多くの健康効果が期待できるサトイモの栄養成分。その効果を損なわないようにするために注意することはあるのでしょうか。

「他の多くの野菜などと同じように加熱で損なわれたり、水に溶け出す栄養成分が多いため、流失を防ぐためには調理に工夫が必要です。特にカリウムは流失が顕著です。サトイモ100gあたり、生の場合は640mg含まれているのに対し、水煮の場合は560mgと80mgも減少します。

カリウムは水に溶け出しやすいので、できるだけ流失を軽減するためには、蒸したりレンジで調理するなどの水を使わない方法がオススメです。また、鍋やスープなど汁に溶け出した栄養もまるごと食べられるメニューにするのもよいでしょう。

サトイモを調理するときに手がかゆくなることがあると思いますが、これはぬめりに含まれるシュウ酸カルシウムの結晶によるものです。シュウ酸カルシウムは酸に弱いので、手に酢や塩、重曹をつけてから調理するとある程度は防げます。ただし、ぬめりには栄養成分が豊富なため、できるだけ落とさないように調理することをおすすめします」(吉田さん)

ジャガイモやサツマイモが日本に渡来するまでは、イモといえばサトイモを指したほど古くから日本人に親しまれてきたサトイモ。夏バテで疲れた胃腸にも効くサトイモを食べて夏の疲れを回復させましょう。

参考資料など

文部科学省「食品成分データベース」(https://fooddb.mext.go.jp/index.pl)

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