秋台風はなぜ怖い まだまだ続く台風シーズン
ウェザーニュース / 2020年9月13日 13時37分
非常に強い勢力の台風10号が九州や沖縄に接近して1週間が経ちました。
その後、日本の南の海上には目立った雲の塊はなく、しばらくは台風の発生はない見込みですが、今後発生した場合はやはり十分に備えることが必要です。
強い勢力が多い秋台風
「強い勢力」以上で上陸した台風の割合
強い台風の日本への上陸数は、夏よりも秋のほうが多い傾向があります。気象庁では最大風速33m/s以上を「強い台風」、同じく44m/s以上を「非常に強い台風」、同じく54m/s以上を「猛烈な台風」と分類しています。この定義になった1991年以降で「強い台風」以上の勢力で日本に上陸した台風の割合は図のとおりです。季節が進むごとに増え、9月や10月は半数以上が「強い勢力」以上となります(9月は31個中18個、10月は9個中8個)。
では、秋の台風はなぜ強い勢力で日本に来るのでしょうか。主な理由は次の2点です。
強い勢力になる理由
【1】海水温度が高い
まず1つは、海水温度が高いことです。
台風は海面から蒸発する水蒸気をもとに発達します。海水温度が高いと水蒸気が多量に供給され台風が発達しやすくなります。水は温まりにくく冷めにくい(比熱が大きいという)性質を持つことから、気温のピークよりも遅れて高くなります。この結果、日本近海の海水温度は、夏よりも秋のほうが高いことが多く、台風自体が発達しやすくなります。
【2】速いスピードで日本にやってくる
もう一つは台風の速度です。秋になると上空の強い風である偏西風帯が日本付近に南下してきます。台風は南海上で向きを変えた後、偏西風に乗ると加速します。台風が加速すると台風を押し流す風と台風自身の風が合わさり、進行方向の右側で特に風が強くなります。この結果、台風の勢力が強いまま日本に上陸しやすくなるのです。
過去大きな被害を出した猛台風も圧倒的に9月以降が多いことから、秋台風は勢力の面でたいへん怖いと言えそうです。
台風シーズンは10月も
台風19号の爪痕:長野県長野市(2019年10月13日)
最近10年間を見ると、去年は台風19号(令和元年東日本台風)が10月12日に、2017年台風21号が10月23日に、さらに2014年には10月に2個の台風が日本に上陸しています。今年はこれまでのところ台風の発生数、上陸数とも平年より少なくなっていますが、このあともしばらくは台風シーズンは続くので油断はできません。
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