諺「秋の日はつるべ落とし」 “つるべ”って何?
ウェザーニュース / 2020年10月26日 15時43分
「秋の日はつるべ落とし」 は、他の季節に比べて秋は急速に日が暮れるということを表すことわざです。
つるべ(釣瓶)とは、井戸で水を汲み上げるために使われる道具のことで、桶を縄の先にとりつけたものを滑車に掛けて使用します。
このつるべが、井戸の中に素早く落ちる様子を秋の日暮れに例えて「秋の日はつるべ落とし」と言われています。
なぜそのように言われるようになったのか、3つの観点から徹底検証していきます。
1、日没時刻の変化
※2015年の東京
当然のことながら、日没時刻というのは、春から夏に向かって遅くなり、夏から秋に向かって早くなっていきます。
2015年の記録を見ると、一番遅い日没時刻は6月で19時。一番早い日没時刻は11月で16時30分。ここには2時間半の差があります。
また、春(3〜5月)から夏(6〜8月)への変化より、夏から秋(9〜11月)への変化の方が大きいことがわかります。
2、日中時間の変化
※2015年の東京
日の出から日の入までの時間を仮に日中時間とし、こちらの時間も比較してみました。
1月〜5月は約1時間ずつ増えています。6月の夏至を越え、7月〜11月はまた約1時間ずつ減っていきます。
先程の日没時間に比べ、春〜夏と夏〜秋に大きな差はありませんでした。
あくまで推測ですが、明るい時間が増えていくのと減っていくのでは、減っていくほうがより変化を感じやすいのかもしれません。
3、薄明継続時間の変化
薄明の種類と定義
結果の前に、まず薄明とは何かをご説明します。
薄明とは、上空の大気が太陽光を散乱して光り、日の入後もしばらくは暗くならない現象のことをいいます。
薄明には種類があり、表のように明るさが徐々に変化していきます。
※2015年 東京
実際の結果
薄明継続時間も6月が一番長くなっており、日が沈んでから約2時間かけて、ゆっくりと暗くなっていきます。しかし9月・10月は、日没後わずか1時間25分で夜を迎えます。この約20分〜30分の差が急に暗くなったという感覚を助長させるのかもしれません。
まとめ
日没時刻、日中時間、薄明継続時間の3つの観点から検証してきましたが、「秋の日はつるべ落とし」と言われるようになった理由には、以下のことが関係していると考えられます。
・夏に比べて秋は薄明継続が短くなるため、急に暗くなったと感じさせた。
・秋は日中時間が減ったことに加え、日没時刻自体も早まり、早く暗くなったと感じさせた。
・春と秋は条件的によく似ているが、夏→秋→冬→春という季節の並びが、より顕著に感じさせた。
実際、季節ごとに様々なものは変化していますが、「秋の日はつるべ落とし」は感覚的な部分が大きいようです。このことをふまえて、秋の空の変化を楽しんでみてはいかがでしょうか。
参考資料など
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
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