サバやカツオが旬を迎える秋は要注意 激しい腹痛を起こすアニサキス症の予防法

ウェザーニュース / 2020年10月28日 5時1分

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サバやカツオ、サンマなどの魚が旬を迎え、刺身や押し寿司を食べる機会が増えた方もいると思います。しかし、食後数時間〜十数時間後に激しい腹痛に襲われたら、それは魚の寄生虫、アニサキスによる食中毒かもしれません。どうしたら予防できるのでしょうか。

アニサキスが胃の中で暴れる?

魚を刺身など生で食べると、魚に寄生しているアニサキスの幼虫が消化器に取り込まれます。

「アニサキスの幼虫は長さ2〜3cm、幅0.5〜1mmで白色の太い糸のように見えます。アニサキスが寄生している魚を生食すると、食後数時間から十数時間後に胃アニサキス症、食後十数時間後〜数日後に腸アニサキス症で激しい腹痛に襲われます。

胃の粘膜は痛みを感じませんが、激しい腹痛はアニサキスが胃壁に潜り、そのときの炎症が胃壁の一番外側の漿膜(しょうまく)に及んで痛むのです」と言うのは横浜相原病院(横浜市瀬谷区)の吉田勝明院長です。

アニサキスの幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなど多くの魚介類に寄生しています。

アニサキス症は年間7000件にのぼる?

厚労省の統計によると、アニサキス症は月別で10月にピークになる年が多く、年間200〜400件ほど発生しています。この数字は食中毒として届け出があった件数です。

国立感染症研究所がレセプト(医療機関が健康保険組合等に提出する診療報酬明細書、2006〜2011年分)を元に試算したところ、アニサキス症は年に平均7147件発生していたといいます。アニサキス症の多くが食中毒の届け出をせずに医療機関で治療を受けているのです。

内視鏡でアニサキスをつまみ出す

アニサキス症はどのように治療するのでしょうか。

「アニサキス症の大半は胃アニサキス症です。激しい腹痛で救急外来に駆け込むことになりますが、このとき生魚を食べたことを伝えることが大事です。アニサキス症の疑いがあれば、内視鏡で胃の中を見てアニサキスを探します。ときには数匹が見つかることがありますが、鉗子(かんし)でつまみ出せばケロリと治ります。アニサキスが腸に行く腸アニサキス症は厄介で、外科手術が必要になることがあります」(吉田院長)

まれに消化管に穴を開けて腹腔内に出る「消化管外アニサキス症」、痛みよりも蕁麻疹(じんましん)やアナフィラキシー症状を起こす「アニサキスアレルギー」を起こすこともあるそうです。

魚介類の生食を避けるのが一番の予防

アニサキス症を予防するにはどうしたら良いのでしょうか。

「アニサキスは、60℃で1分以上加熱したり、−20℃で24時間以上冷凍すれば死にます。魚介類の生食を避ければアニサキス症は防げます。どうしても刺身を食べたければ、冷凍ものを解凍して食べるとよいでしょう」(吉田院長)

アニサキスは酢では死なないので、サバを酢でしめた「しめサバ」でも感染する可能性があります。魚が美味しい季節ですが、激しい腹痛に見舞われたくなかったら、できるだけ生食を避けるのが懸命のようです。

参考資料など

厚生労働省「アニサキスによる食中毒(アニサキス症)について」

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