旬のサバを食べて蕁麻疹 主因は「アニサキスアレルギー」!?

ウェザーニュース / 2020年11月12日 11時7分

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サバの旬は脂がのる晩秋。食べる機会も多くなりますが、「サバを食べて蕁麻疹(じんましん)になったからサバはダメ」という人が少なくありません。しかし、サバによる蕁麻疹の大半はサバの寄生虫アニサキスが原因だったのです。

猛烈な腹痛を起こすアニサキス症

「サバなどはアニサキスが寄生しているので、刺身やしめサバを食べると、激しい腹痛を起こす『アニサキス症』を起こすことがあります。アニサキスは長さ約2cm、幅0.5mm〜1.0mmほどの白い糸のように見える寄生虫で、これが胃の粘膜に潜り込んだりすると七転八倒の苦しみを与えるのです。

アニサキス症の場合は生きたアニサキスが粘膜に潜り込んだことによるアレルギーと言われており、アニサキスに対してアレルギーがない場合はほとんど症状がないとみられています」というのは、アレルギー疾患に詳しい山崎内科医院(東京都小金井市)の山崎博臣院長です。

治療は内視鏡を胃の中に入れてアニサキスを探し出し、見つけたら鉗子(かんし)でつまみ出せば痛みはケロリと治ります。

サバによる蕁麻疹の原因もサバの寄生虫だった

一方、サバを食べると蕁麻疹を起こす人が少なくないそうです。皮膚の一部が腫れてかゆみやチクチク痛むアレルギー反応です。数時間で腫れは引くことが多く、抗ヒスタミン薬やステロイド剤を使うこともあると言います。

生食だけでなく、煮たり焼いたりしたサバを食べても蕁麻疹になることがあるようです。しかし、そういう人でも、サバを食べて症状が何も出ないときもあるので、「サバアレルギー」ではなさそうです。そこで、疑われたのがアニサキスです。

「次のような実証実験があります。サバを食べると蕁麻疹が出る人11人(蕁麻疹患者群)、サバを食べても平気な人11人(健常人群)に、アニサキス抽出液(体液)を皮膚に塗るスクラッチテストを行いました。すると、皮膚が赤く腫れて陽性になったのは、健常人群は1人でしたが、蕁麻疹患者群は11人全部が陽性でした。

つまり、サバで蕁麻疹を起こすのは寄生虫のアニサキスが原因と考えられるようになりました。蕁麻疹の場合はアニサキス症と異なり、生きたアニサキスでなくても起こるのです」(山崎院長)

アニサキスのいないサバなら蕁麻疹が出ない?

アニサキスアレルギーの人は、寄生しているサバを煮たり焼いたりしてアニサキスが死んでも、それを食べれば蕁麻疹を起こすことがあり、サバの缶詰で蕁麻疹になる人もいると言います。

「サバで蕁麻疹を起こすのは、アニサキスがサバに寄生していることが多いからです。アニサキスが寄生しているサケ、マグロ、タラ、イカなどを食べれば、同じように蕁麻疹を起こします」(山崎院長)

では、アニサキスが寄生していないサバなら、蕁麻疹を起こさずにすむのでしょうか。

「まれに青魚そのものにアレルギーがある人や、サバが持っているヒスチジンという物質が微生物の作用でヒスタミンに変化して蕁麻疹を起こすことがあります。しかし、アニサキスアレルギーで蕁麻疹を起こす人は、アニサキスがいないサバなら蕁麻疹を心配せずに食べても大丈夫と思われます」(山崎院長)

アニサキスアレルギーでは蕁麻疹を起こすことが多いのですが、場合によってはアナフィラキシーによって呼吸困難になる可能性もあると言います。サバなどを食べて蕁麻疹が出る場合は、アニサキスアレルギーの可能性を疑って、念のため血液検査で確かめておくと良いでしょう。

参考資料など

国立感染研究所「アニサキスアレルギーによる蕁麻疹・アナフィラキシー」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2406-iasr/related-articles/related-articles-446/7212-446r03.html)

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