富士山に幾重にも重なる笠雲・吊るし雲 関東は午後に風が強まる予想
ウェザーニュース / 2021年1月7日 9時5分
静岡県御殿場市より(7日7時過ぎに撮影)
今日7日(木)朝は、富士山の山頂には「笠雲」が、さらに少し離れたところには雲が何層にも重なったように見える「吊るし雲」と呼ばれる、不思議な雲が出現しました。
日本海で低気圧が急速に発達している影響で、富士山周辺でも強い風が吹いていたことが原因とみられます。
笠雲とは
笠雲のできる仕組み
笠雲は、富士山の上に覆い被さって、笠を被っているように見えることからそう呼ばれています。
上空を流れる湿った空気が山の斜面にぶつかることによって、強制的に上昇して雲ができます。このとき、上空の風が強いと、風上側の斜面で雲が発生。風下側の斜面では雲が消えていくという現象を絶え間なく繰り返すことによって、山頂付近で雲が止まって見えます。
吊るし雲とは
吊るし雲は、高い山の風下に現れます。上空の風に乗って流れる普通の雲と違い、いちど出現すると場所がほとんど動かず、「吊されて」いるように見えるので「吊るし雲」と呼ばれています。
吊るし雲は「レンズ雲」と呼ばれる種類の雲の一種で、
・「上空の風が強い」
・「湿った空気が存在する」
という状況の時に発生しやすくなります。
上空の強い風が高い山を越えたり回り込んだりするときに風下側で空気の波が起こり、風が上昇している部分で雲ができるのです。
時間が経過しても空気の波の形状は急には変化せず、風が上昇する場所で雲ができて、風が下降する場所では雲が消えていくという現象を絶え間なく繰り返すことによって、同じ場所で雲が止まって見えるのです。
今日は関東でも午後は風が強まる
風向・風速の予想 7日(木)14時
午後になると、この強い風の範囲が関東にも移ってきます。特に関東南部の沿岸では平均風速で10m/s以上、房総半島では15~20m/sに達する見込みです。東京は10m/s、横浜でも15m/s、千葉では17m/sの強い風が予想されています。
瞬間的にはこの1.5~2倍となる30m/s近い暴風が吹くおそれがあります。鉄道など交通機関の運行に乱れが発生したり、飛来物による影響や、停電などの影響が出てもおかしくありません。
帰宅時間帯もピークは過ぎるものの風の強い状況は続くので、十分に注意をしてください。
参考資料など
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
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