七十二候「霞始靆」とは?霧、もやとの違いを紹介
ウェザーニュース / 2021年2月23日 7時0分
春になると気温が上がり、遠くの景色が白くボンヤリと見えることはありませんか?
空気が澄んでいる秋や冬は、遠くの山もキレイに見ることができますが、春になると白くボンヤリと見えますよね。
それが「霞」という現象です。
2月23日(火)から七十二候「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」なので、霞についてご紹介します。
霧、もや、霞の違い
冒頭で紹介した霞は、主に春に使用される言葉です。春以外の季節では、霧やもやと呼ばれるようになります。「じゃあ…霧、もや、霞って全部同じなの?」現象としては同じですが、実際は以下のように定義付けされています。
【霧】
微小な浮遊水滴により、視程が1km未満の状態(気象庁より)
【もや】
微小な浮遊水滴や湿った微粒子により視程が1km以上、10km未満となっている状態(気象庁より)
【霞】
空気中に浮かんでいる様々な細かい粒子のため、遠くがはっきり見えない現象。また、霧や煙が薄い帯のように見える現象。(デジタル大辞泉(小学館)より)
霧ともやは気象用語として使用されていますが、霞に関しては異なり、天気予報などで使われることはないようです。
季節によって「空の色」が変わる!?
上の写真は、4月と10月の空の写真です。どちらも16日の16時頃のものですが、随分色が違いますね。10月の方は、濃い青で、奥行きさえも感じます。一方、4月の方は白っぽい青でボンヤリしています。ではなぜこんなにも違いが出るのでしょうか。
晴れをもたらす高気圧は、実は季節によって出身地が異なります。春と秋はともに大陸育ちで、空気中に含んでいる水蒸気が少なく、乾燥しています。
しかし、春の大陸は雪や氷が溶け、植物があまり生えていません。そのため土やホコリが舞いやすく、空気中に塵や水滴が増えます。
空気中に粒子の大きい塵や水滴があると、太陽光は様々な色(波長)の光が合わさった状態のまま散乱します。そのため、空は白っぽく見えてしまうのです。
では秋はというと、空気中には塵や水滴がほとんどありません。あるのは小さい粒子の酸素分子と窒素分子。この分子たちは太陽光の持つ7色の光の中の青や紫など波長が短い光を強く散乱します。そのため、青々と見えるのです。
おさらい七十二候
1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、それぞれをさらに6つに分けた24の期間を「二十四節気」といいます。
そしてこれをさらに初候、次候、末候の5日ずつにわけて、気象の動きや動植物の変化を知らせるのが七十二候です。
次回は、雨水の末候「草木萠動(そうもくめばえいずる)」についてご紹介します。
参考資料など
気象庁HP「霧や視程に関する用語」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kori.html
goo国語辞書「霞の意味」https://dictionary.goo.ne.jp/jn/41169/meaning/m0u/
【参考・参照元】暦生活「雨水」
https://www.543life.com/season-usui.html
違いがわかる事典「「霧(きり)」と「靄(もや)」と「霞(かすみ)」の違い」
https://chigai-allguide.com/%E9%9C%A7%E3%81%A8%E9%9D%84%E3%81%A8%E9%9C%9E/
和ごよみと暮らしによりそう工芸品 暮らしのほとり舎「七十二候・第五候 「霞始靆 (かすみはじめてたなびく)」https://kurashi-no-hotorisya.juno.weblife.me/wlwp1/2016/03/01/%E4%B8%83%E5%8D%81%E4%BA%8C%E5%80%99%E3%83%BB%E7%AC%AC%E4%BA%94%E5%80%99%E3%80%8C%E9%9C%9E%E5%A7%8B%E9%9D%86%E3%80%8D2016/
日々是活き生き 暮らし歳時記「七十二候「霞始靆」は春霞たなびく頃。梅の花も見ごろに。」https://www.i-nekko.jp/hibinotayori/2016-022300.html
きもの用語大全「霞文とは」
https://www.so-bien.com/kimono/%E6%96%87%E6%A7%98%E3%83%BB%E6%9F%84/%E9%9C%9E%E6%96%87.html
Travel.co.jp「一面に桃の花咲く桃源郷 丹霞郷(たんかきょう)と周辺の花の見どころへ」https://guide.travel.co.jp/article/911/
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