秋の寒暖差や雨によるダルさを緩和する 薬の選び方と飲み方
ウェザーニュース / 2021年10月26日 9時30分
秋の深まりとともに、高気圧と低気圧が交互に通過しながら、周期的な天気変化が起こりやすくなります。そうした時期には、頭痛やめまい、耳鳴り、体のダルさなどを起こす“雨ダルさん”が増えるようです。
ウェザーニュースで「雨による頭痛があるときの対処法は? 」というアンケート調査を実施したところ、「薬を飲む」が全体の43%で最も多い割合となりました。
アンケート結果
適切に薬を飲むことは有効な手段ですが、そのためにはきちんと効く薬をタイミングよく飲むことが重要だそうです。
ウェザーニューズ気象病顧問アドバイザーで愛知医科大学客員教授・中部大学教授の佐藤純先生につらい雨ダルの症状を和らげる、薬の選び方と飲み方を教えていただきます。
気圧変動が原因?
「天気が崩れることによって天気痛を発症する人が“雨ダルさん”です。天気痛の症状には、頭痛だけでなくめまいや耳鳴り、体のダルさ、ひどい眠気などがあります。気圧の変化などの情報が内耳から脳に伝わってストレスとなり、自律神経が乱れて様々な症状が現れるのです。
寒暖差が大きいこの時期は、ただでさえ自律神経が乱れがちです。そこに気圧変動が加わると、余計に頭痛などの症状が出やすくなるのです」(佐藤先生)
このようなときに、心強いのが薬です。
「痛みの予防や一時的な解消に、薬の服用は効果があります。ポイントは、効く薬をタイミングよく飲むことです」(佐藤先生)
雨ダルさんに効く薬とは?
天気痛には、どのような薬が使えるのでしょうか。
「私がよく処方するのは、めまい薬です。内耳のむくみを防ぎ、神経の興奮を抑える働きがあるため、気圧の変化に耐えやすくなります。ほかに効果があるのは鎮痛薬や乗り物の酔い止め薬です。患者さんの体質や症状に合わせて漢方薬を処方することもあります。
市販の鎮痛薬などで対応している方も多いでしょうが、一番よいのは医師に処方してもらうことです。乗り物酔いの薬は成分が様々あります。漢方薬も体質や症状に合うものでなければならないので、漢方に詳しい医師や薬剤師への相談が必要です」(佐藤先生)
薬を飲むタイミングが大切
鎮痛薬は常備している家庭も多いですが、注意したいこともあります。
「処方薬も含め鎮痛薬の服用が1ヵ月に10〜15日にもなったらよくありません。薬剤の使用過多による頭痛を招くことがあります。
最小限の薬で最大の効果を得るためには、薬を飲むタイミングを知ることです。薬は、症状が現れるか現れないかのタイミングで飲むのがお勧めです。痛みを我慢していると薬が効きにくくなり、痛みが続くのでさらに薬を飲まなくてはならず、服用量が増えてしまいます」(佐藤先生)
そのためにも、天気痛が出たときには天気、自分の体の状態、頭痛などの症状の現れ方をメモしておきましょう。
「具合の悪くなりそうなときのことも忘れないでください。『頭や首が重い』『生あくびが止まらない』など、人それぞれ予兆があります。天気痛の出方やリズムは個人差がありますが、これを把握しておくことで、自分の服薬のタイミングがつかめるようになります」(佐藤先生)
「天気痛予報」などと組み合わせれば、より的確に対応できそうです。自分の体のクセを知り、季節の変わり目を穏やかに過ごしましょう。
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