「葉っぱ切り絵」で秋を楽しむ! 紅葉した葉っぱで作るコツは?
ウェザーニュース / 2021年11月20日 5時35分
色鮮やかな葉っぱを使って、「葉っぱ切り絵」を楽しんでみませんか。国内外にファンの多い葉っぱ切り絵アーティスト・リト@葉っぱ切り絵さんに作り方を教えていただきます。
紅葉から生まれる物語
モミジやイチョウなどが鮮やかに紅葉する季節です。集めた葉っぱで、葉っぱ切り絵を作ってみるのはいかがでしょうか。葉っぱ切り絵とは、木の葉を素材にしたアートです。リト@葉っぱ切り絵さんは、Instagram、Twitterに葉っぱ切り絵を毎日のように発表し、大きな反響を呼んでいます。
葉っぱ集めや作品撮影のために、1年中自然の中を歩き回っているリトさんにとっても、この時季は特別だといいます。
「秋が一番葉っぱの色が多彩で、見ているだけでも楽しいです。モミジやイチョウの葉が手に入るのもこの季節だけ」(リトさん)
葉っぱ切り絵に紅葉した葉っぱを使うのは難しいところもあるといいます。
「カットできる部分が極端に少ないので、表現にも制限があります。ただ、だからこそ制作意欲が燃えてくるというか、この中で何とか表現してやろう!って気になります」(リトさん)
制限があることは、決してマイナスではないようです。例えば、紅葉の葉の形をそのまま動物の尻尾にした作品。「この葉っぱだからこそ浮かんだアイディアだし、見てくれた方々からも『この部分を尻尾にするなんて面白い!』って驚きや感心するようなコメントをたくさんいただきました」(リトさん)
紅葉の葉っぱ切り絵の作り方
葉っぱの形や色味を最大限いかすため、制作の手順も工夫します。
「普段は紙にまず下絵を描いて、そのデザインに合う形の葉っぱを選びます。
モミジの場合は、紅葉をジーッと眺めながら頭の中で作品イメージを膨らませて、そこから下絵を描く作業に入ります。デザイン先行だと葉っぱの中に収まりきれないからです」(リトさん)
▼準備するもの
葉っぱ、デザインナイフ、マット、水性ペン(細め)、下絵など
(1)下描き
下絵を見ながら、葉っぱの裏側に水性ペンで下描きする
(2)切り抜く
はじめに絵の内側の小さい部分を。次に外側の余分な部分を大まかに切り、下描きの線にそって細かい部分も切る
(3)仕上げ
表に返して、微調整
「紅葉は緑の葉っぱ以上に割れやすく繊細なので、カットには細心の注意を払います。デザインナイフの尖った先端だけを使って、真上から刺すようにゆっくり少しずつ刃を入れていきます」(リトさん)
作品テーマの見つけ方
リトさんは、どのようにテーマを生み出しているのでしょうか。
「紅葉は秋の葉っぱなので僕は作品テーマも秋らしいものを選んでいます。紅葉の葉の中で動物たちが小さな紅葉を見つけたり手にしたり…。葉っぱの色が赤いので、ふれあいとか心温まるテーマがよく合います」(リトさん)
葉っぱの赤い色からインスピレーションを得て、自分の夢に一生懸命手を伸ばしている女の子を主人公にした物語がふくらんだのが「遠い夢も、手を伸ばせばきっと近くに」です。
今、贈りたいメッセージ
「小さな葉っぱの上に、ひとつの世界や物語を作れるのが葉っぱ切り絵の魅力」と、リトさんは語ります。
作品を発表するSNSには世界中からコメントが届き、初の作品集『いつでも君のそばにいる』(講談社)は累計7万部を超えました。多くの人の心をとらえているのは、小さな葉っぱから広がる物語に、自分のためのメッセージを受け取って、それぞれに感動したり、勇気づけられたりしているからでしょう。
紅葉した葉っぱを拾い集められるのは、今だけ。自分の思いや伝えたいメッセージを込めて、葉っぱ切り絵作ってみるのもよいかもしれません。
参考資料など
リト@葉っぱ切り絵
1986年、神奈川県生まれ。葉っぱ切り絵アーティスト。自身のADHDによる偏った集中力やこだわりを前向きに生かすために、2020 年より独学で制作をスタート。Instagram、Twitterに毎日のように投稿する葉っぱ切り絵が注目を集める。初作品集『いつでも君のそばにいる 小さなちいさな優しい世界』(講談社)が大きな話題を呼んだ。12/3発売のメッセージカードブック『離れていても伝えたい』(講談社)が大好評予約受付中。
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