1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

皮膚のバリア機能を守る手のケア方法 感染症対策にも効果的

ウェザーニュース / 2021年12月21日 5時0分

ウェザーニュース

冬の手荒れは辛いものですが、忙しさゆえにケアがおろそかになりがちです。

野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)院長の野村有子先生は、「感染症対策の意味からも、手のケアは大切」と強調します。手の正しいケアについて教えていただきます。

手荒れは汚れが残るもと?

師走は寒さや空気の乾燥に加え、大掃除など手を酷使しがち。さらにコロナ禍での手洗いやアルコール消毒も加わり、手が荒れやすい状況です。

ウェザーニュースで現在の手荒れ具合についてアンケート調査を実施したところ、「しっとり」しているのは男性が28%、女性が15%という結果でした。女性は9割近くの人が何かしら手荒れの症状を感じているようです。

アンケート結果

乾燥しやすいから今の時期の手荒れは仕方ない、とあきらめてはいけません。

「手がカサカサしたり、ザラつきなど感じたら、皮膚の健康が損なわれてきているシグナルです。皮膚は人体の一番外側にあり、細菌やウイルスなどの外部からの異物の侵入や刺激から身体を守っているものです。

ザラつきなどの肌荒れは、皮膚に微細な“傷”がある状態で、バリア機能が壊れ始めているといえます」(野村先生)

ウイルスの大きさ

手荒れは、手洗いの際に汚れが残るもととなります。野村先生がユースキン製薬株式会社と行った手荒れの傷と洗い残しの相関性についてのモニター試験では、手荒れの傷の部分には汚れの洗い残しが存在することが確認されました。

「ささくれや小さな傷でも、ウイルスや細菌と比べれば非常に大きいものです。例えば、新型コロナウイルスの大きさは約0.1μmととても小さいので、1mm程度の小さな傷でも約1万倍の違いがあります。そこにウイルスや細菌が入りこむと、手洗いなどで落ちにくくなり、感染のリスクとなる可能性があります」(野村先生)

手荒れで痛みが出てくるのも問題です。

「傷が真皮など皮膚の深い位置に達してしまうのが、あかぎれの状態です。痛みも強く、回復にも時間がかかるようになります。

こうした傷ができると、手洗いや消毒の際に痛みのある部分を避けるようになってしまいます。手荒れの初期の段階でも、沁(し)みるのが怖くて手洗いや消毒がおろそかになることもあるでしょう。健やかな肌を保つことは、手を衛生的に保つ感染症対策としても重要です」(野村先生)

手荒れしていると手指衛生が悪化

前述のモニター試験では、ハンドケア後(7日目)にはささくれやあかぎれが改善し、汚れの洗い残しがほとんどなくなったことが確認されました。正しいケアが大切なのです。

正しい手指ケアの方法

手荒れしないためには、手洗いの段階から注意しましょう。

「高めの温度のお湯で洗うのは気持ちよいですが、皮脂を奪って皮膚のバリア機能を壊したり、刺激でかゆみが悪化したりする原因となりかねません。33~35℃くらいのぬるま湯で洗いましょう。皮膚の負担となるゴシゴシ洗いは厳禁。泡立てたせっけんで、丁寧にやさしく洗います」(野村先生)

手洗いの後は、清潔なタオルで皮膚に水分が残らないようきちんと拭いてから、保湿します。

「皮膚に水分が残っていると、乾燥するときに皮膚の水分もいっしょに奪われてしまいます。さらに、手を洗ったり消毒したりすると皮膚の保湿成分も洗い流されてしまいます。そのため、手洗いや消毒の後は忘れずに保湿しましょう。

ハンドクリームなど、塗り残しがないよう丁寧になじませます。カサつきやザラつきなど乾燥している部位は重ねづけします」(野村先生)

冬はこれからが本番。感染症対策にも気を抜けませんが、手指の正しいケアも心がけると良さそうですね。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください