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ここを見れば一目瞭然? ツツジとサツキの見分け方

ウェザーニュース / 2022年4月30日 10時45分

ウェザーニュース

桜の花が散り、替わってツツジやサツキがピンクや紅色、白といった美しい色合いの花を咲かせる時季がやってきました。どちらも春から初夏を象徴する人気の高い花ですが、同じような色と姿形であることから“違いがよくわからない”という声を耳にします。

ツツジとサツキはどうやって見分けたらいいのか、またそれぞれの特徴などについて、公益財団法人日本花の会研究員の小山徹(こやま・とおる)さんに伺いました。

ツツジは日本の野生種をもとに品種改良

ゴールデンウィーク(GW)には全国各地で「つつじ祭り」が開かれるなど、ツツジはなじみ深い植物です。まず、ツツジはどんな植物なのかについて教えてください。

「ツツジはツツジ科ツツジ属の植物で、樹高50cm~2mの『低木』です。耐寒性と耐暑性はともに強く、4月から5月中旬にかけて開花します。

原産地は日本・中国を中心としたアジア東部ですが、現在流通・栽培されているツツジは、日本で自生する野生種をもとに品種改良されたものです。ツツジは育てやすく、初めての方でも鉢植えや自宅のお庭でも楽しむことができます」(小山さん)

サツキもツツジ科ツツジ属

サツキも5月を示す「皐月」に由来する名で、これからの時季に花が咲きそろう植物です。サツキの特徴は。

「サツキもツツジと同じツツジ科ツツジ属の植物で、樹高50cm~1.5mの『低木』です。耐寒性・耐暑性ともに強く、5月下旬~6月上旬にかけて開花します。

原産地は日本で、江戸時代中期に起こった園芸ブームの際、多くの品種が作られました。関東地方以西の本州のほか、鹿児島県の屋久島にも隔離分布しています。日本の気候に合うため非常に育てやすく、花の美しさを楽しむことができます」(小山さん)

ツツジとサツキの見分け方

ツツジとサツキは、それぞれ似た特徴をもった植物のようです。では、どうやって見分ければいいのでしょうか。

「ツツジとサツキはどちらも花が非常に良く似ていることから、間違えてしまうことも多い植物です。一般的な見分ける方法をお伝えします。ただし、品種によっては相違がない場合もありますので、注意してください。

まず、花の違いから見ていきましょう。大きさはツツジが6cmくらい、サツキは4cmくらいとやや小さめです。おしべの数はツツジが5本以上に対し、サツキは5本です。花の咲き方は、ツツジが一斉に咲くのに対し、サツキは“パラパラ”と咲きます。

葉の違いで見ると、大きさはツツジが4~5cmくらい、サツキが2~2.5cmくらいです。ツツジは表面に柔らかい毛があり、サツキはつやつやしています。

開花期はツツジが4~5月頃で、新しい葉が出てから花が咲きます。サツキはやや遅い5~6月頃で、新しい葉が出る前に花が咲きます」(小山さん)

ツツジには毒がある品種も?

サツキの名の由来は「旧暦の5月頃に花を咲かせるから」と見当が付きますが、ツツジの由来がよくわかりません。

「ツツジは花が筒状になって、連なり続いて咲くことから『つつじ』となったという説があります。

漢字では躑躅、杜鵑花、映山紅、管士の文字が当てられ、すべて『つつじ』と読みます。躑躅については『ちょうちゃく』と読み、(ヒツジたちが)『躑』とお(る)、『躅』ふ(む)の意味です。日本語の躊躇(ちゅうちょ)と同じで、立ち止まる、ためらうなどの意味が含まれています。

実は、レンゲツツジという品種は根に有害物質を含んでいます。ヒツジがためらい立ち止まるのはそのためです。昔の人は植物の特性をよく捉えて、この漢字を当てたと思います。ビックリですね。

レンゲツツジは耐寒性が強く、自身を守る毒のおかげで高地などに大群落が形成されることもあります。そのため、開花期に“わーっと”広がる景観に驚くかもしれません」(小山さん)

このGWは新型コロナウイルス感染予防のため、密を避けたり大声での会話を控えたりなどの「節度・節制」を保ちながら、ツツジとサツキの花の美しさを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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