大きいから「竹」とは限らない? 竹と笹の見分け方
ウェザーニュース / 2022年7月5日 4時55分
もうすぐ七夕。「笹の葉さらさら…」と歌にあるように、笹に短冊などの飾り付けをするのももうすぐです。この笹、竹と何が違うのかご存じでしょうか。詳しい話を、竹虎(株)山岸竹材店の四代目社長、山岸義浩さんに伺いました。
竹と笹の違いは大きさではない?
竹といえば見上げるばかりの高さになるもの、笹といえば背の低いものと思いがちですが、一概にそうともいえないようです。
「一般的に『竹』は孟宗竹など背が高い大型のもので、『笹』はやぶに生えている、せいぜい子供の身長ぐらいの小型のもののことと思っている方が多いと思います。
また、名前が『~タケ』といえば竹、『~ササ』といえば笹だと思っている人も少なくありません。こうした名前も、竹は大きいもの、笹は小さいものというイメージからつけられてしまって、本来は笹なのに名前に『タケ』が入っているものや、その逆もあるのです。
例えば、大きいものでは数メートルにもなる『ヤダケ』、『メダケ』は笹の仲間、逆に数十センチから1m程度にしかならず、最近は庭のグランドカバー(地面を覆う植物)としても人気の『オカメザサ』は竹の仲間なのです」(山岸さん)
名前が「タケ」でも笹、「ササ」でも竹がある
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実は竹と笹の違いは大きさではなく、植物学的な違いがあるといいます。
「まず、竹は生長するにつれて稈鞘(かんさや/たけのこの皮)が落ちて、稈(かん/樹木で幹にあたる部分)がツルツルしてきます。これに対し笹は生長しても稈鞘は落ちずにずっと残ったままです。
葉の違いもあります。栄養分や水分を運ぶ役割を果たす葉脈は、竹は格子状、笹は並行に走っています。
さらに、枝の出方も違っています。竹は1つの節から2本の枝が出ますが、笹は3本以上出てきます。
また、生育する地域の違いもあります。竹は北海道では生えていないように、寒冷地では育ちませんが、笹はクマザサに代表されるように、寒冷地や高地でも生育できます」(山岸さん)
竹や笹の水揚げは難しい
七夕には短冊を下げて竹や笹を飾りますが、葉が丸まってしまうことがあります。竹と笹はどちらの方が長持ちする、ということはあるのでしょうか。
「竹も笹も、切ったあとの水揚げが難しく、たとえ水にさしてもすぐ葉が丸まってしまうことが多いのです。
少しでも切る前の状態を保ちたいなら、なるべく一年生の若竹を選んでください。棹(竹の茎)の緑色が濃厚なものは若竹です。
また、一節ごとに孔(あな)を開けて水を入れる、葉をある程度切ってしまって蒸散を防ぐ、などの方法がありますが、それでもなかなか切る前の状態を保つのは難しいといわれています。
七夕飾りをたくさんつけて、竹や笹の葉の丸まった状態があまり見えないようにするのもコツだと思います」(山岸さん)
竹や笹は身近な植物で、1年中緑の色も鮮やかです。散歩やウォーキングなどで竹や笹を見かけたら観察して見分けてみるのも楽しいのではないでしょうか。
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