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夏に心配な水虫 ゴシゴシ洗いはNG?正しい治療と予防法

ウェザーニュース / 2022年8月18日 5時15分

ウェザーニュース

高温多湿の夏は足にもたっぷり汗をかき、水虫が心配な季節です。水虫については意外に誤解も多く、悪化させてしまっている可能性があるといいます。

ゴシゴシ洗いはNG

足がムズムズしがちな夏は、水虫が不安になってゴシゴシ洗ってしまいます。

ところが、野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)院長の野村有子先生は、「水虫は洗っても治りません。それどころか、ゴシゴシ洗うと足を傷つけて水虫になりやすくなることがあり、予防としてもよくありません」と、忠告します。

「水虫は、白癬菌(はくせんきん)という真菌(カビ)による感染症です。皮膚が傷つけば、カビが皮膚に入り込んで感染しやすくなってしまいます。白癬菌は高温多湿の環境で活発になるので、夏は悪化しやすいのです。

足の指の間が赤くむずがゆくなるのが代表的な症状ですが、足の裏に小さな水ぶくれができたり、かかとの皮膚が分厚くなるタイプもあります。爪に白癬菌が入り込むと爪水虫になります。皮膚が増殖する角質増殖型や爪水虫はかゆみもないため、水虫だとわからずに悪化させてしまうケースもあります」(野村先生)

水虫のタイプ


▼趾間型(しかんがた)
足の指の間に、皮がむけてかゆくなる。赤くなったり、じくじくしたりすることも

▼小水疱型
足の裏や側面に小さな水ぶくれができて、かゆい。赤くなったり、皮がむけることもある

▼角質増殖型
足の裏の皮膚がガサガサに増殖し,皮がむけやすくなる。かかとが分厚くなってひび割れることも。かゆみがほとんどなく、1年中足の裏の角化がみられる

▼爪水虫(爪白癬)
白癬菌が爪に入り込み、爪が白く厚くなって濁ってくる。かゆみはなく、ひどくなると爪がボロボロに。飲み薬での治療が必要となることもある

治療は抗真菌薬で

水虫が疑われるときは、どうしたらよいのでしょうか。
「まず、かゆみでかいてしまわないよう注意します。爪に白癬菌がついて、手や股などの他の部位で増殖してしまうことがあります。また、患部が傷つくとほかの細菌感染を合併するおそれもあります。

前述したように水虫の症状は多様で、よく似た症状の他の皮膚疾患もあるので、はやめに皮膚科を受診しましょう。夏の水虫が寒くなるにつれ症状が落ち着くこともありますが、治ったわけではありません。白癬菌が皮膚にひそんでいて、夏に再発を繰り返すことも多いです」(野村先生)

病院では顕微鏡で白癬菌を確認し、抗真菌薬で治療します。

「塗り薬は、塗り方と塗る期間がポイントになります。患部よりかなり広めに塗り、指の間など塗り残しがないようにします。症状のあるところだけ塗っても、他の場所に白癬菌が残っていると再発するためです。

白癬菌は床やマットの上に2、3ヵ月は生息しているといわれていますので、最低3ヵ月は塗り続けます。治りにくい爪水虫など、飲み薬での治療が必要になることもあります」(野村先生)

また、家族への感染を防ぐため、バスマットやスリッパなどは共用せず、掃除もこまめにしましょう。

足はせっけんで優しく洗う

治療が終わったら、再び水虫にならないよう予防もたいせつです。

「足は毎日必ず洗いましょう。せっけんを使って優しく洗い、タオルで水分をふいて指の間まで乾燥させます。スポーツジムや浴場などに行った後は、帰宅してすぐに足を洗います。また、雨で靴がびしょびしょになった後に水虫になる人もいますので、注意が必要です。

白癬菌が繁殖しやすい高温多湿の環境にならないよう、毎日同じ靴を履かない、汗をかいたら靴下を履き替えましょう」(野村先生)

基本的なことですが、足を清潔にしておくことが役立つのです。野村先生は、「水虫は早めに治療すれば治りがよく、家族にうつしてしまう可能性も低くなります。恥ずかしがらずに受診してください」と呼びかけます。夏の悩みを1つ減らし、快適に過ごしたいものですね。

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