8月31日は「野菜の日」 一日に必要な量350gは具体的にどれくらい?
ウェザーニュース / 2022年8月31日 5時0分
8月31日は「野菜の日」でもあります。「やさい」は「831」と書くこともできるため、全国青果物商業協同組合連合会などの9団体が1983年に制定しました。
夏野菜もそろそろ終盤を迎えますが、今度は秋に旬を迎える野菜を食べるのが楽しみですね。とはいえ、皆さんは毎日しっかり野菜を摂れているでしょうか?
今の日本人は野菜の摂取量が足りない
厚生労働省は「野菜を1日350g以上食べる」ことを推奨しています。
さらに、350gのうち、約120gは緑黄色野菜から、約230gは淡色野菜から摂取するのが望ましいとされています。
しかし平均値では、この目標は達成できていません。
厚生労働省の2019(令和1)年の「国民健康・栄養調査」によると、野菜摂取量の平均値は280.5gで、男性288.3g、女性273.6gでした。年齢別にみると、男女ともに20~40代で少なく、60歳以上で多い傾向があります。
日頃から好きなものばかり食べたり、簡単に食べられる偏った食事になりがちな人も多いことでしょう。しかしそれでは、野菜不足を招いてしまいます。
「野菜350g」とは、具体的にはどれくらい?
そもそも「野菜350g」とは、どれくらいの量でしょうか。
大雑把にいえば、大人の両手いっぱいに乗るくらいの量で、小鉢で約5杯分の量でもあります。
緑黄色野菜と淡色野菜に分けて、具体的な野菜で「野菜350g」を見てみましょう。
上の表にまとめたように、ミニトマト30gは小さめのもので約3個、オクラ20gは約2本、キュウリ45gは約1/2本、レタス40gは外側の葉が約1枚です。
上記の例では、ほかにニンジンやナスなどがありますが、これらを3食で食べればよいのだから、それほど多くないことがわかるでしょう。
朝食のパンに野菜を加える
そうはいっても、忙しくて、朝はバターを塗ったパンとコーヒーだけ、昼はラーメン、夜はカレーライスなんて日も多いんだよね……という人もいそうです。
そういう人は、たとえば、朝食のパンにトマト、キュウリ、パセリ、レタスを加えてみてはどうでしょうか。これらはいずれも、水で洗って、包丁で切るだけで食べることができます。もちろん、ドレッシングをかけて食べるのもよいでしょう。
お昼にはタンメンか野菜炒め定食を食べて、夕食は、茹でた枝豆とブロッコリーに、小松菜やブナシメジを入れたみそ汁を食べる。
それだけで、350g以上の野菜をとることができます。
免疫力を高めるフィトケミカルも豊富
野菜には、健康を保つために必要な栄養素がたくさん含まれています。
ビタミンA、C、Eなどの各種ビタミンや、カリウム、カルシウム、鉄などの各種ミネラルに加え、食物繊維やフィトケミカルなども豊富に含まれています。
フィトケミカルは、植物が外敵や紫外線から身を守るために作る物質で、香りや色、辛み、渋みなどのもとになっています。
トマトなどに含まれるリコペン(リコピン)、ネギなどに含まれるアリシン、海藻などに含まれるフコイダンなどは、フィトケミカルの一種です。このフィトケミカルには、免疫力や抗酸化力を高める作用があります。
野菜を毎日食べることで、がんや動脈硬化、老化の促進を予防する効果が期待できます。さらに、免疫機能にもよいとされています。
野菜の日をきっかけに、毎日、350g以上の野菜を食べることを心がけてみてはどうでしょうか。
参考資料など
『野菜のとり方早わかり』(監修・解説/川端輝江、監修・データ作成/竹内冨貴子、女子栄養大学出版部)、『正しい知識で健康をつくる あたらしい栄養学』(監修/吉田企世子・松田早苗、高橋書店)、『1日野菜350gをペロリと食べるおいしいレシピ』(著者/伊藤玲子、主婦の友社)、一般社団法人 日本生活習慣病予防協会『日本の365日に会いに行く』(編著/永岡書店編集部、永岡書店)、一般社団法人 日本生活習慣病予防協会「野菜摂取量の平均値は280.5、男性288.3g、女性273.6g 令和1年(2019)「国民健康・栄養調査」より」)(http://www.seikatsusyukanbyo.com/statistics/2020/010351.php)
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