先島諸島は台風11号による高潮警戒 満潮時刻と接近が重なる

ウェザーニュース

大型で強い台風11号（ヒンナムノー）は、今夜、先島諸島に最も近づく見込みです。台風の接近と満潮時刻と重なるため、高潮の危険性が高まります。

通常時より潮位が1m以上高くなる予想

台風は今夜21時～24時頃にかけて石垣島や宮古島に最も接近する予想となっています。勢力をやや強め、接近時の中心気圧は945hPa、最大風速は45m/sに達する見込みです。

気圧の低下や風の強まりによって潮位が上昇し、高潮が発生するおそれがあります。各地の満潮時刻は宮古島が23時35分、石垣島が23時25分で、台風の接近と満潮時刻が重なるため、通常時に比べて1m以上高くなる見通しです。

宮古島地方と石垣島地方には高潮警報が発表されています。

気圧低下と吹き寄せで海面が上昇する

高潮のイメージ図

台風が接近して気圧が低くなると海面が上昇する「吸い上げ」という現象が起こります。そして、強風で海岸に海水が押し寄せる「吹き寄せ」という現象も起こります。満潮時刻と重なると、さらに潮位が高くなります。

「吸い上げ」「吹き寄せ」「満潮」の3つが揃うと、沿岸の海面が大きく上昇して、海水による浸水が発生するおそれがあります。

海岸付近の低地はもちろん、海水の逃げ場がなく水位が上がりやすい湾奥部、高潮と洪水の両方の危険が重なる可能性のある河口部などは、より一層潮位が上がりやすいので、高潮による浸水被害の特に危険なエリアとされています。

高潮から身を守るためには、基本的に浸水被害時の避難方法と同様で、早めの避難が肝要です。ただし、暴風が吹くなど外への避難が難しい場合には無理をせずに、できるだけ高い場所へ逃げて待機するようにしましょう。気付いた時にすでに高潮が迫っていた場合は、あせらず落ち着いて、命を守るための最善の行動をとるよう心掛けてください。